基本的には田舎が好きです、というか人混みやせかせかすること、ついでに言えば、紙の事務作業が嫌いです。 異文化交流が好きです。全然違う分野・価値観の人の話を聞くのが好きです。国内外の旅行が好きです。食べることが好きです(しかし小食・・・)。自然が好きです。絵や音楽などのアートはよくわからないけど好きです。 仕事に関係しますが、医療・保健・福祉・教育分野を「良く」したいです。「良く」の定義は人により異なるでしょうし、場所や時代でも異なると思います。議論してみんなで決めるものだと思います。議論するために必要な情報を「みえる化」して、多くの人で議論できるようにして、「良い」ものにしていくことに貢献したいです。 ま、無理の無い範囲でね。 哲学は、リベラル~リバタリアンです。
2015年12月11日金曜日
ハーヴァード公衆衛生大学院の教員になるには・・・
ボースから、米国アカデミアでの職探しin generalと、ハーヴァード公衆衛生大学院の教員になるには、について、いろいろレクチャーいただいた。
ちなみにうちのボースは、単なるprofessorではなく、chair(日本でいうところの学科長?&冠付professor)なので、こういうの非常に詳しい。
とりあえず、現在の所属先で教員として働くことは、1億パーセントありえないことはよくわかったw
英語とかそれ以前の問題ですね。
たくさん話してくれたが要点は以下かなと。
一部私の聞き取りミスもあるかもしれませんが、まぁ多少間違っていても、問題なくほとんどの人が、私含めてほとんどの人が教員にはなれないと思うので大丈夫でしょうwww
論文目安は以下らしい。
Assistant professor: 10 lead-author papers
Associate professor: 60
Full professor:150
Assist/Associateは両方最大5年任期で、更新は無し。
つまり外資系でありがちなup or out.
しかも3年目の中間評価で無理そうならその時点で終わり。
ポスドク長くやっていればAssistの上記の要件は満たすでしょうが、もちろん論文10本かけはなれるものはありませんのであしからず。
仮にめでたくAssistになってた人は、その後5年間、年間10本以上を書き続けるという、走り続けるラットの生活へ突入(かけなければ失職決定!)。
ちなみにAssistは、80%以上はlead authorで書くべきと。Second authorはギリギリOK、Lastが多いとかなり疑われると(ということでそれ以外の業績はもはや業績ではないでしょうw)。
そ う考えると、ハーヴァードの教員になりたければ、Assistになるのは書きまくれるようになってからの方がいい(なってしまったら次にいくために5年以 内に書きまくる必要あり)わけで、一部の天才を除いては、PhD→ポスドク→他の大学で教員をやる(→その後ハーヴァードへ?)、というのはある意味リー ズナブル(まーでもほとんど戻ってこれない気もしますが)。
以前、こちらのポスドクと話をしていて、「ハーヴァードの教員になるのが大変すぎて、30代がいない」というような意見を聞いたことがありましたが、そういうことですね。
つまりざっくり言えば、一部の天才を除くと、
・学生・ポスドク=20代
・若手研究者=30代=他の大学教員でハーヴァードに備える
・ハーヴァードの教員=40代以上
とゆーことでしょうか。
一部の天才は、「他の大学教員でハーヴァードに備える」をスキップして、いきなりハーヴァード教員になってしまうので30代でもハーヴァードに存在できるのかもしれませんね。
ち なみに、うちのボースは学部も博士もNZで、その後にハーヴァードにきたそうですが、博士課程で論文を7本だか13本だか諸説ありますが、まぁ要するに、 通常の人間であればポスドク数年やっただけの業績を博士課程のうちに積み上げ、ハーヴァードに来たら、出世の階段を一直線に駆け上がったようです (assist->associate->full->chair->named prof --> what's next?)。
論文は、数か?or少なくても良いジャーナルを目指すべきか?については、ボースは「とりあえず量でしょう」と。
なぜならば、そもそも掲載されている論文のIFで評価することはしないから。
重要なのはcitation(他の研究者にrefされること)であると。
NEJMに掲載されてもcitationされていなければ全然ダメと。
citationされるかどうかは、掲載されるまではわからない。
つまり最初から質の良い論文を出すということ自体が定義的にありえないのでだから数を打てと。
たくさん書ば、意外なものがホームランになる(といいなぁ( ゚Д゚))。
ちなみにうちのボースのtop citationはAJPHだし、前のchairのそれはJECHかAJEらしい(いやAJPHも十分良い気が・・・)。
もちろん研究費獲得も重要。
とり続ける必要あり。
研究費のgapがあると上としてはかなり”気になる”と。
chairは、full professor意外のすべての教員について、上記の研究業績・外部資金獲得などについて、半年に1回面談・CV評価し、いろいろすべきこと(editorやkey note lecturer)を紹介・斡旋する。
そして面談・CVにより毎年、緑・黄・赤の評価をフィードバック(赤貰ったら凍りますね。ってか転職始めるでしょうね)。
「3年目でいきなり契約更新しないって言われたびっくりするでしょ?だから毎年評価を送るのです」と。
まぁほかにもいろいろありましたが、これで十分ですよね。
やっぱ、ハーヴァードの教員ってすごいなーと思ったし、それをのぼりつめて、評価する側に回っているボース、すごすぎます。
追記:
・さらに「ワークライフバランス大切」「自分の健康はマスト」とかおっしゃっていたので、どうしようかと思いました
「妻と毎日話しているか?」「子どもに父として認識されているか?」などがワークライフバランスがとれている重要な指標だそうですw 子どもに「またきてねー」と言われたらアウトだそうですww
・これ、Harvardグループ共通のcriteria?
ほかのHarvardのボスも同じような事言ってました。
「Harvardでポジション得て維持するってことは他と比べても特に厳しいんだぜ(ニヤリ)」と。
また、とあるセミナーで講師(某科のprofessor)が
「私がprofessorになれたのはIFじゃないの。いかに引用されるかが重要よ。
現にNEJMなどのhigh IFの雑誌に一度も載ったことなんてないわ。そして論文にはfirstかsecond、どんなに悪くても
3番目までに名前が無いと意味を成さないわ。」と申しておりました。
・まーでも思いますが、厳しさのベクトルの向きが、まぁまともですよね。「論文の内容作成には何もやっていないけど100人の共著者の真ん中くらいに自分の名前あるー」といっている日本人とか(割愛・・・
・ 加えて評判の話もされてましたよね。職位に就くためには論文数だけでなく、国内での評判も加味される。さらに上の立場になると国際的な名声がないとダメ、と。恐ろしや。
・ どれもこれも幅広いネットワークが無いとダメなんですよね。上も考えていると思いますね。
・先日、ボースに、Lancetに投稿することを議論した時に、ボースは、その雑誌のことを「Lancet is the "Tokyo Sports shimbun" of the medical world.」と言っておりました、東スポww(笑)
あ、誤解の無いように捕捉すると、ボースはけなしているわけではないようです。「でもいいじゃん、ハイインパクト(=たくさんの人が目にする)し!」的な。上述のごとく、その論文の評価は、後世が決める、ということですので、とにかく、数をたくさん出す、たくさんの人が見てくれるところに出す、が最高ですよね。
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