2015年12月17日木曜日

HPVワクチン(いわゆる子宮頸がんワクチン)の安全性について


HPVワクチンについての安全性についてですが、ちょっと前の記事で以下のようなものがありました。
 
Review concludes evidence does not support that HPV vaccines cause CRPS or POTS
http://www.ema.europa.eu/ema/index.jsp…

上記の日本語版。

・子宮頸がんワクチン、副作用の証明できず―EU当局の調査
有害事象の因果関係示されず
・欧州医薬品庁「HPVワクチンとCRPS,POTSの因果関係示されず」
https://medical-tribune.co.jp/news/2015/1106037737/

これらについて、一般のメディアではほとんど掲載されていないようですが・・・(副作用じゃないか!?!?という報道は熱心にするのになんなんだ日本のメディアは??)

まぁ日本の政府・研究者(?)ように、「接種して症状が出た人」の症例の詳細だけを集めて議論しても意味ない(因果関係なんてわかるわけない)と個人的には思います。
 
因果関係を明らかにするには、以下の4つについて適切にデータを集めて解析しない限り、関連は明らかにならないと思われます。
(接種ー、症状ー)
(接種ー、症状+)
(接種+、症状ー)
(接種+、症状+)
 
他参考リンク

感情的な一方的な声に押されず、冷静な数字に基づく政策を望みます。


2015年12月16日水曜日

様々な「総合医」

こんなにたくさんの 「総合医」があるとは知らなかったのでメモ。

■総合診療専門研修指導医の定義・要件
  1. 1)日本プライマリ・ケア連合学会認定のプライマリ・ケア認定医、及び家庭医療専門医
  2.  
  3. 2)全国自治体病院協議会(全自病協)・全国国民健康保険診療施設協議会(国診協)認定の地域包括医療・ケア認定医
  4.  
  5. 3)日本病院総合診療医学会認定医
  6.  
  7. 4)大学病院または初期臨床研修病院にて総合診療部門に所属し総合診療を行う医師(卒後の臨床経験7年以上)
  8.  
  9. 5)4)の病院に協力して地域において総合診療を実践している医師(同上)
  10.  
  11. 6)都道府県医師会ないし郡市区医師会から≪総合診療専門医専門研修カリキュラムに示される「到達目標:総合診療専門医の6つのコアコンピテンシー」について地域で実践してきた医師≫として推薦された医師(同上)
出典:一般社団法人日本専門医機構「総合診療専門研修指導医マニュアル」(閲覧日:平成27年9月8日)
http://www.japan-senmon-i.jp/document/program/comprehensive_doc11.pdf

台湾からの義援金などで建てられた病院落成 宮城・南三陸町長が感謝伝える

People in Taiwan are sooo kind(I can't find a suitable English word to explain the situation properly)....A new hospital was built in an rural area, which was severely damaged by the earthquake and the following tsunami in March 11, 2011. (There was a hospital there, but the hospital was completely collapsed by the disaster).
The cost for it was about 5.6 million Japanese yen (56 million USD), and about 40% of them was funded by donation from Taiwan. Thank you very much for your kind donation!!!!

また台湾だ!!! 台湾すごすぎ!! ありがとう!!  日本の皆さん台湾旅行に行きましょう!!
http://japan.cna.com.tw/news/asoc/201511260002.aspx

”再建には台湾からの義援金が多く使われ、同町の佐藤仁町長から台湾の支援に対して感謝が述べられた。 建設費約56億円のうち、22億2000万円を中華民国紅十字会総会(台湾赤十字)が支出した。金額は同会が東日本大震災で援助した建築物の中で最多。 ”



そういえば、、、
私が昨日、宮城県の地元新聞である河北新報で、この病院の記事を読んだ時には、台湾の義援金のことは言及されていなかった気がする。
ネットの記事を確認してもやはり言及なし。
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201512/20151215_11020.html

ほかのメディアはどうなのか確認。

・地元新聞河北新報だけではなく、NHK、FNN、朝日新聞も言及なし。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151214/k10010340501000.html
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00311133.html
http://www.asahi.com/articles/ASHDG2WB0HDGUNHB001.html

・TBSとハフポには、台湾からの義援金のことが書いてあった。
TBS
" 震災の津波で患者ら74人が犠牲となった宮城県南三陸町の公立病院が高台に再建され、14日、診療を始めました。
 診療を始めた南三陸病院は、3階建てで、10の診療科があり、ベッド数は90。総事業費56億円のうち22億円は台湾からの支援金です。"
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2658840.html

ハフポ
"この新病院の建設費用を支えたのは台湾から寄せられた義援金だった。台湾の通信社「中央通訊」によると、建設費約56億円のうち、約4割に当たる22億2000万円を中華民国紅十字会総会(台湾赤十字)が支出した。台湾赤十字が東日本大震災からの復興を支援した建築物の中で最多の支出額だったという。"
http://www.huffingtonpost.jp/2015/12/14/taiwan-minami-sanriku_n_8808616.html



記事はスペースが限られているというのはわかりますが、建設費の40%も台湾からの寄付のおかげであることは、報道しないのはおかしいと思いますが。


2015年12月11日金曜日

アカデミア(研究者、研究費、留学etc)+日本に来たい外国人研究者・医師向け、のお話し

アカデミア(研究者、研究費、留学etc)+日本に来たい外国人研究者・医師向け、のお話し

途中ですが、メモがてらまずは保存。ご意見お待ちしております。

2015年07月07日追記

日本の臨床疫学研究の相対的競争力の低下はやばい。

何度見ても衝撃的な日本のお家芸の論文数カーブ(国大協報告書草案18)
http://blog.goo.ne.jp/toyodang/e/12d49cfdffc5ab6bd5ee3c3156eec890

”臨床医学分野については、論文絶対数(図85)では米国の強さが目立つ。日本は5位につけており、緩徐な増加傾向を示している。しかし、人口当り論文数(図86)では、日本は先進国中最低となっており、また、台湾や韓国よりも少ない。”

上記が報告書(PPTだけど)になった。
http://www.janu.jp/report/files/2014-seisakukenkyujo-uneihi-all.pdf

上記は、以下の
http://www.janu.jp/report/report2/h10.html
「H27.5 政策研究所 研究報告書「運営費交付金削減による国立大学への影響・評価に関する研究」」からDLできる。


我が国の臨床医学の相対的衰退の原因については、平成23年の日本学術会議が報告書で、公衆衛生大学院(SPH)の不足と、それに伴う関連する人材の不足、SPHと臨床のコラボ不足と指摘している。
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-21-t133-8.pdf

実は同様の内容は、平成5年の学術会のレポートでも書いてあるというおそ松っぷり。
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/13/15-17.pdf
このころに対応していれば、今のような無残な状態にはならなかっただろうに・・・・。

京大の福原先生もSPHの必要性を強調。SPH15年の成果なども併せて説明。同時に質の担保されていないMPHが日本で増えていることに警鐘も鳴らしており素晴らしい。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/004/gijiroku/__icsFiles/afieldfile/2015/02/27/1355486_07.pdf


2015年06月27日追記

「国立大学改革」文系などの切り捨てを許すな
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-06-26/2015062601_05_1.html
" 運営費交付金は、2004年の国立大学法人化以降10年間で1300億円も削減されました。国大協の報告書(5月25日)によると、日本の学術論文数は主 要国の中で唯一減少し、35カ国中で00年の17位から13年は最下位に、質を示す論文の注目度は31位に転落しました。報告書は、その主因が運営費交付 金削減だと告発しています。"

国大協の報告書一覧
http://www.janu.jp/report/report2/h10.html

上記の中の”H27.5 政策研究所 研究報告書「運営費交付金削減による国立大学への影響・評価に関する研究」”が、国際比較から日本の衰退を明らかにしている。データに基づいたナイス資料。
http://www.janu.jp/report/files/2014-seisakukenkyujo-uneihi-all.pdf

上記報告書の元になったと思われるナイス資料。
http://blog.goo.ne.jp/toyodang/e/12d49cfdffc5ab6bd5ee3c3156eec890


●いくら高くても「米大卒」アジア富裕層、熱い留学熱
 http://www.nikkei.com/article/DGXMZO78886640V21C14A0000002/

何度も書く通り、こちらにいると中国・インド・韓国人だらけだなーと思います(西海岸はもっとすごいんでしょうね)が、この記事を読んで、彼らにとって、アメリカ留学は、実利的なメリットは、私が思っていたよりも、はるかに小さい(小さくなった)と記事を見て思いました。

” その理由は、確実にリターンが見込めるためだ。米国の給与調査サイト、ペイスケールは4年制大学の学位を持つ人と、高校卒業後に働き始めた人の累計給与を 比較した。世界大学ランキングでトップクラスのカリフォルニア工科大学(カルテック)の出身者が卒業後20年間に得る平均収入は、大学時代の総コストを差 し引いても高卒者の24年間の収入より90万ドル多い。”

→24年で「たった」90万ドルと思いました。もちろん生涯賃金で、約1億円の差はかなり大きいことは議論するまでもないけど、差はもっと大きいと思っていましたけどねー。
中国やインドの国内での教育レベルも充実してきているんでしょうかねぇ。
or国内のコネができないことのデメリットは結構大きい?
&中国やインドの国内の大学を卒業できる確率よりは、アメリカの大学を卒業できる確率は小さいでしょうから、アメリカ留学はリスクも伴います。

あぁまぁアメリカ移住の可能性まで考えるとメリットは大きいのかもしれませんが、この記事を読む限りでは、諸手を挙げて米国に押し寄せるほどでもないのではないかなぁと正直思いましたよ。

"留学した子供が、そのまま米国で就職し永住権を取得すれば、一家そろって米国に移住する足がかりとなる。習近平政権の反腐敗キャンペーンで立場が危うくなった中国の公務員にとって、子供の留学は「逃走ルート」の確保という意味合いもある。"

" かつて、アジアの留学生は「苦学生」「まじめ」「試験で上位」という印象だった。いまや、動画共有サイトユーチューブには、週末の夜にフェラーリやベント レーなどスーパーカーを乗り回し、カリフォルニアの一角に集ってパーティーをする中国人学生らの映像が多数投稿されている。"

"上海からカリフォルニア州立大学に留学した女性は「学費を出すため、両親は持っていたマンションの1つを売却した」と話す。卒業後、彼女はカリフォルニアにとどまり、税務事務所に就職できた。"

→”マンションの「1つ」を”というのがポイントですね。何個持っているのやら・・・

Financial benefit of getting bachelor degrees at famous universities in the US for students from China or India seemed to be much smaller than I expected. I mean, I'm surprised that they can a lot even if they graduate from universities in their home countries.They might earn more than Japanese graduates, I guess.....

*The $280,000 diploma
http://asia.nikkei.com/Business/Trends/The-280-000-diploma?page=1

" First, companies are increasingly rewarding top talent. A PayScale survey looked at the difference in net earnings, after 20-24 years of employment, between a bachelor's degree holder and a high school graduate -- minus the cost of a four-year degree program. A graduate of the California Institute of Technology, known as Caltech, would come out $901,400 ahead of the high school grad. Someone who went to Stanford University would have a $809,700 advantage."


2015年05月13日追記

日本に来たい外国人研究者・医師向け

1)研究者向け
●JSPS Postdoctoral Fellowship for Overseas Researchers
http://www.jsps.go.jp/english/e-fellow/
https://www.jsps.go.jp/english/e-fellow/postdoctoral.html

●Points-based Preferential Immigration Treatment for Highly Skilled Foreign Professionals (いわゆる高技能外国人へのポイント制度)
http://www.immi-moj.go.jp/newimmiact_3/en/index.html

2)医師向け
他国の医師免許証を持っていて、日本語堪能だと、書類さえ出すことができれば、日本の医師国家試験は受けることはできるようです(書類はいろいろめんどくさいみたいだけど・・・)
http://www.mhlw.go.jp/topics/2012/05/tp0525-01.html

実際の国家試験の例

・第109回医師国家試験の問題および正答について
http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=210739

ただし、国家試験に合格しても、日本の初期研修2年やらないと、保険医になれません(=いわゆる普通の医療行為ができません)。
どこの国もそうだとは思いますが、国家試験は年々難しく複雑になってきているので、もし日本の医師資格にも興味があってとることを考えているならば、さっさと試験はクリアしておく方がいいかもしれません。
初期研修は、その後いつかやることにしてもよいと思います。
初期研修は、場所を選べばかなり楽にもできると思います。

ちなみに日本の初期研修病院は、以下に掲載されています。
http://guide.pmet.jp/web2016/php/hosp_list.php
(これですべてではないです。掲載されていないところで初期研修できる病院もたくさんあります)

今の日本では、大学よりは、大学以外の病院で初期研修をやる人の方がちょっと多いのが現状です(私もそう)。
https://career.m3.com/kenshunavi/know-how/choice/012
http://www.med.or.jp/doctor-ase/vol1/page_06.html



2015年02月01日追記

これは本当に良いまとめと思った。

[発声練習] (2015年版)博士進学が決まったあなたが今すぐに始めるべきこと
http://d.hatena.ne.jp/next49/touch/20150201/p4

国別博士号輩出数
http://d.hatena.ne.jp/next49/20090131/p2

THE PHD FACTORY
http://www.nature.com/news/2011/110420/pdf/472276a.pdf

Published online 20 April 2011 | Nature 472, 276-279 (2011) | doi:10.1038/472276a
Box: What's a PhD worth?
http://www.nature.com/news/2011/110420/full/472276a/box/4.html

2014年11月20日追記

" 日本からの留学生数は19,334人で、前年と比較すると1.2%の減少。46,292人が米国に留学した1996/97年以降、過去最低の数字となっ た。日本から米国への留学生数は、1999/2000年の46,872人を頭打ちにほぼ毎年減少を続け、現在はピーク時の約41%に留る。"
http://resemom.jp/article/2014/11/20/21518.html
ということですが、人口ピラミッドを考慮すると、例えば18-22歳人口当たりの留学者数はほぼ横ばいなのではないかと、人口ピラミッドを見て思う。留学者がピークの時って、ちょうど第二次ベビーブーム世代のころですよね
http://www.stat.go.jp/data/jinsui/2013np/


2014年11月09日追記
●内閣府の謎の参考資料
http://www8.cao.go.jp/cstp/project/kiso/siryo2-2.pdf
・科研費の採択率は年齢とともに低下@P.6(資料に書いてあるページ数ではなくPDFファイルのページ数)
・日本の科研費の配分金額の平均値は低下傾向@P.9
・ 博士修了後にすぐに助教以上になれるのは10%以下。臨床に戻っているMDは純粋な研究者としてカウントすべきではないと思われるので、これらを全体から のぞいて考えても、博士修了後にすぐに助教以上になれるのは2割もいないでしょう。ちなみにいきなり教授や准教授になる人はおそらくほとんどいないわけ で、これは要するに教授や准教授の人で博士を持っていない人が、教授や准教授の状態で博士をもらったか、もしくは博士をもらったことで昇進した場合であ り、社会人経験ない人がいきなり教授などになることはまぁ普通は無い@P.14
・「将来のイメージが見えないから研究者をやめようと思った」@p.15が最多だそうですが、公務員ならまだしも、今の時代民間サラリーマンでも同じでしょ(苦笑)研究者をやめる理由として合理的とは到底思えない(苦笑)
・大学教員の枠は、年長者が相対的に独占している(若者が苦労している)のが良くわかる@P.16。しかしエンジニアだけはそうではないかも。@P.17
・テニュアトラックを整備したことがすごいみたいに書いてあるが、それそんなにすごいの?(苦笑)@P.20
テニュアトラックって所詮は任期付き助教でしょ?昔は助手でも終身雇用だったわけで。
今の助教は独立で研究を行う存在ということになっていますが、私が知る限りでは、医学・生物学系では、助教はやはり教授の傘の下の存在(お手伝い)というのは否めないかと思います。
そもそも助教レベルの人にいきなり「単独の研究者になれ(=自分で研究費とってきて、自分で論文出して、授業もやって、院生も指導して、大学内の仕事(入試や各種委員会やたまには市民講座も)ももちろんやってね)」というのは、現実問題かなりタフな課題な気がします。
できるスーパーな人もいるでしょうが、スーパーな人を基準に制度を決めるのは無茶な話。
現場を知らない理想論な気がします。
医学・生物学系では、助教はやはり教授の傘の下の存在(お手伝い)というのは、まぁ現実論かなと。


●平成20年版 科学技術白書
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpaa200801/08060518/015.htm
やはり日本はGDPの割に研究費出しまくり。研究者の多くはもっと研究費をと言いますが、身の丈に合っていない気が。

●他NIH関係のメモ
http://jspsusa.org/us-science/20110223FY2012NIHbudget.pdf
http://www.nedo.go.jp/content/100105345.pdf
http://www.jst.go.jp/crds/pdf/2013/OR/CRDS-FY2013-OR-01.pdf

●聖路加福井先生の数年前の臨床疫学研究の課題。残念なことに今でも十分使える内容。
http://www.h4.dion.ne.jp/~jssf/text/doukousp/pdf/0608_1217.pdf


7月22日追記

●米国で研究活動を行う外国人研究者の推移(下のP.7)
http://www8.cao.go.jp/cstp/project/kenkyu/haihu4/siryo5-4.pdf

”中国>>韓国=インド>日本≒ドイツ、カナダ>イギリス、フランス”


第3節■研究人材の輩出と雇用
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpaa200601/002/002/0301.htm
” 我が国における自然科学系の修士及び博士の学位取得者数は、大学院の拡充により増加を続けてきたが、平成12年度は博士が直近のピークとなり、その後減少 に転じ平成14年度は平成10年度と同じレベルまで戻った。5年間で見ると、平成9年度に比べ平成14年度には修士が1.11倍(年平均の伸び率2.1 パーセント)、博士が1.11倍(年平均の伸び率2.2パーセント)となっている。平成14年度の専攻分野別で見ると、修士課程では工学分野の2万 8,893人、博士課程では保健分野の6,853人が最も多い(第2-2-21図)。”

●17 博士学位授与数の推移と授与率(文科省)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/05090501/021/003-17.pdf
博士取得者は、1991年では保健系(ほぼ医学博士と思われる)が61%だったものが、2002年では40%。
保健系はあまり増えていないが、人文・社会・教育系の博士の増加がすごい。

一部の治療によると中国が米国を抜いて博士の”生産量”世界一らしい。
●世界では、これまでにないハイペースで博士号(PhD)が生み出されている。この勢いに歯止めをかけるべきなのだろうか。@Nature
http://www.natureasia.com/ja-jp/nature/specials/contents/PhD-factory/id/news-feature-472276-1
抜いていないにしろ同じくらいは生産しているものと思われる。そして意外と多いロシア。。。人口少ないのに多いね。
科学系博士号取得者数 国別ランキング統計・推移
http://www.globalnote.jp/post-5225.html

人口当たりの研究者数をみると、経済的に豊かで比較的小国が上位に。やはり人口の少ない国は戦略的になっている印象。
研究者数(人口当たり) 国際比較統計・推移
http://www.globalnote.jp/post-10355.html

11月20日追記
http://www2.explore.ne.jp/news/articles/20141.html
「留 学生の出身国別で多いのは、中国、インド、韓国がトップ3、中でも中国は年20%以上の伸び率となっており、4年連続でアメリカ留学する外国人のトップを 占めている。また2010年を例にとると、中国人留学生の留学先は人気の高い順に、アメリカ、イギリス、フランス、オーストラリア、カナダ、日本となって いる。」

いやはや人口規模を考えると、韓国の頭脳流出っぷりがすごいですよね。
また、中国からフランスにも流れているのがすごい。他は基本的に英語圏ですね。
フランスは言語も英語じゃないこともありますが、なんとなくですが文化というか社会のありようも違いすぎて何かと大変そうなイメージですが、どうなんですかね。


「2010年の集計では、アジア系のみを記述した人口は1467万人であったが、最大グループは中国人で335万人、ついでインド人284万人、フィリピン人256万人、ベトナム人155万人、韓国人142万人、日本人76万人、パキスタン人36万人などとなっていた。」
 http://ja.wikipedia.org/wiki/アメリカ合衆国の人種構成と使用言語#.E3.82.A2.E3.82.B8.E3.82.A2.E7.B3.BB


白人は米国のリーダーで居続けられるのか
http://wofwof.blog60.fc2.com/blog-entry-590.html

「アメリカはWASP支配の国」は既に神話:2050年には白人は人口の過半数を割り込む
http://www.redcruise.com/nakaoka/?p=286

●3/18 ロンドンから、白人の英国人が大量流出―10年間で60万人(これはイギリス)
http://lifezero2ch.blog.fc2.com/blog-entry-109.html

●南北アメリカって基本的に出生地主義なんですね。
http://ja.wikipedia.org/wiki/出生地主義
 だから、南北アメリカでは、「●世」とかしばしばみみにするんですね。
一方ヨーロッパでは、あまりそういう「●世」とかききませんが、それは親の国籍に依存するから、なかなかありえないんですね、なるほど。ここらへんは医療含めた社会保障がカバーするのを誰を対象にするか?財源をどうやるか?にもつながりますね、興味深い。

ーーーーーーーーーーー
何度も書きますが、こちらに来てからは、とにかく、中国・韓国・インド系の人の数の多さにマジでびっくりしています。主に大学生と思われます。
日本にいるときには、メディア情報やネットで調べる数字でみて、中国や韓国はそんなにたくさんお欧米に行くのかーすごいなーとは思っていましたが、やはり百聞は一見にしかずです、その人数の多さをじかに見て感じるとかなり圧倒されます。


留学者の数は、絶対値でももちろん中国がすごいことになっていますが、人口対で見ると韓国すごいですねー。
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/6138.html
実は人口対で見ても、中国は意外と日本と差がないという・・・。
このくらいの差だと、抜かれるのは時間の問題でしょうかね。
余談ですが、アメリカは海外に行かないですね(苦笑)


以下資料ページ8(ファイルとしては10)をみると、ここ30年の、海外から日本への留学生の増加のグラフがあります。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/global/dai2/siryou4.pdf
これによると、日本に来るのは、中国韓国台湾がトップです。
インドは互角の優位性もあり海外といえばアメリカとイギリスに行くんでしょうね。
で、非常に興味深いのが、お金をどうしているかという点。
近年の増加は、私費による留学が、国費留学や政府派遣の伸びを、はるかに上回っていることがわかります(アジア通貨危機のあたりで一度おちこみますが、2000年に入るくらいからの急激な上昇はすさまじいです)。
つまり、これを見る限りでは、中国や韓国の留学生の増加は、政府の後押しというよりは、個人レベルでの活性化(?)によるところが大きいという事でしょうか。
正直これは意外でした。
 中国とか韓国の急激な増加って、政府主導の政策の影響かと思っていたのですが、少なくとも費用負担という点から見ると、そういうわけではなさそうですねぇ。。
ここから推測するに、アメリカに来ている中国や韓国の人もやはりほとんどが私費なんでしょうね。


他、メモ
「TOEFL」は絶対か 若者よ海外に出よう
http://kimumasa2012london.blog.fc2.com/blog-entry-351.html

海外への留学者数激減は米英だけ、他国への留学は増加!なぜ?
http://www.yuichiroanzai.com/blog/2013/05/米英への留学生だけが激減他の国への留学生は増加.html

●国別アメリカへの留学生の推移
http://www.globalsengen.jp/images/das/20111201_01.jpg

●世界の視野から消える日本 中国台頭、韓国も存在感
http://blogos.com/article/73311/

これはちょっと関係ない
「ポスドク問題」について考える
http://www.yuichiroanzai.com/blog/2013/07/ポスドク問題について.html

日本の精神科医療、措置入院

日本の精神科医療、措置入院

総論:

わかりやすく読みやすい
http://www.siruzou.jp/seikatu/12074/


厚労省資料
 1)
日本は病床数が多く、病床あたりの医療従事者(医師、ナース、PSW)は尐ない
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/hoken-sidou/dl/h22_shiryou_05_04.pdf

2)
平均在院日数が異様に長い。1年とかになっている。異常事態。
諸外国が年々ベッド数を減らしている中、日本は減っていない。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/06/dl/s0625-6c.pdf
http://www.niph.go.jp/journal/data/53-1/200453010002.pdf


措置入院:
都道府県別件数を調べてみました。
人口補正していないものですが、それでもかなりばらつきありそうなことは明らかかと。
噂では聞いていましたが、仙台市は少ない!
けど札幌はもっと少ない!!!!これじゃぁ札幌では措置の症例なかなか集まらなそうですね(苦笑)
こんなにバリエーションがあるのは、説明責任がある気がしますが・・・

http://www.npo-jam.org/library/materials/m_mhlw01.html

上の
  • [CSV] 2-1 精神障害者措置入院・仮退院状況,都道府県-指定都市(再掲)別

からDLして数が多い順に並べました(コピーしたら改行されてないし・・・)。

措置入院は、都道府県業務だけど、政令市になると移管される業務なのですね?


全  国 6941 東 京 1584 神奈川 765 埼 玉 601 大 阪 391 横浜市 299 千 葉 293 福 岡 272 広 島 243 栃 木 201 長 野 197 茨 城 145 さいたま市 145 大阪市 135 静 岡 116 広島市 116 長 崎 111 宮 城 110 新 潟 109 福岡市 105 京 都 100 群 馬 98 沖 縄 97 三 重 94 福 島 88 川崎市 86 山 形 85 愛 知 84 山 口 80 京都市 77 岡 山 70 北海道 68 兵 庫 67 滋 賀 66 島 根 63 熊 本 63 奈 良 62 大 分 59 相模原市 59 高 知 55 石 川 51 福 井 51 香 川 47 堺市 44 北九州市 40 青 森 38 宮 崎 37 静岡市 37 佐 賀 36 富 山 35 岩 手 33 新潟市 32 名古屋市 31 山 梨 30 岡山市 30 千葉市 28 和歌山 27 仙台市 27 愛 媛 26 鳥 取 25 岐 阜 21 鹿児島 20 熊本市 19 神戸市 17 徳 島 14 秋 田 13 浜松市 13 札幌市 8


そして北海道の精神科病院の多いこと・・・・(苦笑)

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001knbk-att/2r9852000001kzdy.pdf




メモ:
Aさん
・措置診察は政令市 中核市になると移管されます。でも中核市は県に委託してやってもらうことが多いと思います。
精神科病院のベッド数を減らせるように、グループホームも建てていき、統合失調症の人の入院は減ってきてますが

ベッド数を減らしすぎると病院側の経営が成り立たなくなるので、今度は認知症の人の社会的入院が増えてます。


Bさん
中核市が保健所業務やること明記されてました。
http://uub.jp/cpf/chukaku.html




  

疫学(臨床疫学、社会疫学含む)・統計学・研究計画&仮説&論文作成などを勉強するために役に立つ素材

疫学(臨床疫学、社会疫学含む)・統計学・研究計画&仮説&論文作成などを勉強するために役に立つ素材

疫学や統計学などを勉強するために役に立つサイトをまとめる機会があったので一度メモ。

他にもおすすめありましたらたくさん教えてください!

【臨床疫学】
臨床のデータを解析して、研究したいけどどうやっていいのかよくわからないという臨床家(特にMD)向けの素晴らしい記事
●統計家を臨床医の良きパートナーに
 http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA03131_01

「臨 床のデータを解析して、研究したいけどどうやっていいのかよくわからないという臨床家(特にMD)」は、どうしたらいいかについては、一言でいえば、京大 のMCRか東大のSPHで1年勉強して知識を増やして&そういうことに詳しいMDに限らずいろんな知り合いを増やしたらいいと思う。

・京大MCR
http://sph.med.kyoto-u.ac.jp/class-15.html
・東大SPH
http://www.m.u-tokyo.ac.jp/sph/

正直今の時代、欧米MPHにわざわざ行く必要はないと思う。
特に臨床医にとっては、デメリット(臨床ができなくなる、所得が無くなる・授業料が超高い)もそれなりにあるのではないかとも思います。

実(じつ)をとるなら、東大や京大で十分な気がします。
というか最終的に日本にいるならその方がいい気がします。特に医者はね、、、

「海外に行きたい(住んでみたい)」というような思いがある人は、考えてもいいのかもしれませんが、別に日本(東大や京大が)が著しく劣っているとは私は思いません。


また、上記の記事に私見を加えると、日本は生物統計家はかなり少ないうえに、生物統計家という人は必ずしも、臨床家がやりたいような臨床疫学研究(多くが観察研究)にたけているわけではありません。
医学の常識が通じないこともあると思います。
そして人によっては、統計の専門用語・概念・数式で押してくる人もいて、臨床家は圧倒されることもあると思います(ここら辺はある意味お互い様ですが)。
ということで結論としては、MDで疫学わかっていて、疫学論文書いたことある人に相談するのが最もイージーだと思います。
そういう人は、公衆衛生の教室にいるでしょう(ただし毒性学など疫学をやっていない人もいますのでご注意を)。
また、最近では、公衆衛生の教員は必ずしもMDではないのでご注意ください。
特に助教はMDじゃない方が多かったりして?
教授は99%がMDと言ってもいい気がしますが、教授ともなると、なかなかアポもとりずらいでしょうし、お年で臨床のことを忘れていたり、現代の疫学的手法をご存知なかったりするかもしれないので、助教~准教授くらいのMDがベストな気がします。


●日本救急医学会雑誌 の 臨床医のための疫学シリーズ (5回シリーズ:臨床家のための疫学入門編)

第1回 臨床研究における疫学と統計学(疫学総論)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjaam/20/5/20_5_288/_article/-char/ja/
第2回 疫学用語の確認と論文の読み方(疫学各論1)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjaam/20/6/20_6_338/_article/-char/ja/
第3回 研究仮説の立て方とDirected Acyclic Graph(疫学各論2)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjaam/20/7/20_7_397/_article/-char/ja/
第4回 バイアスの考え方,結果の解釈の仕方(疫学各論3)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjaam/20/9/20_9_794/_article/-char/ja/
第5回 臨床研究における統計学の役割(疫学各論4)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjaam/20/10/20_10_851/_article/references/-char/ja/

●臨床研究関係のレクチャーシリーズ。これまじで良いと思う。無料!!!!
http://www.icrweb.jp/


【公衆衛生学】
北大の岸先生のスライド(学術会の一般向けスライド、公衆衛生について)、すばらしす。
http://bookooqc.org/d2222583.html
(ちなみに「健康・生活科学委員会からの学術・教育への提言」でググれば学術会からPDFをDLできます)

スライドの中に書いてありましたが、以下の分類いいなと思いました。
公衆衛生専門家が身につけるべき研究方法(Oxford Textbook of Public Health、第5版2009)
1.疫学
2.生物統計学と疾病死亡登録
3.社会科学(行動科学を含む)
4.環境科学(実験科学を含む)


尊敬する坪野先生の記事
予防で医療費は減るか
http://apital.asahi.com/article/tsubono/2012111200042.html



【疫学】
超簡単な疫学を楽しく気軽に学べる教科書。

基礎から学ぶ楽しい疫学 単行本 – 2012/12/1 中村 好一   (著)
http://www.amazon.co.jp/%E5%9F%BA%E7%A4%8E%E3%81%8B%E3%82%89%E5%AD%A6%E3%81%B6%E6%A5%BD%E3%81%97%E3%81%84%E7%96%AB%E5%AD%A6-%E4%B8%AD%E6%9D%91-%E5%A5%BD%E4%B8%80/dp/4260016695/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1413555638&sr=8-1&keywords=%E6%A5%BD%E3%81%97%E3%81%84%E7%96%AB%E5%AD%A6

宇宙怪人しまりす 医療統計を学ぶ 検定の巻 (岩波科学ライブラリー)

http://www.amazon.co.jp/%E5%AE%87%E5%AE%99%E6%80%AA%E4%BA%BA%E3%81%97%E3%81%BE%E3%82%8A%E3%81%99-%E5%8C%BB%E7%99%82%E7%B5%B1%E8%A8%88%E3%82%92%E5%AD%A6%E3%81%B6-%E6%A4%9C%E5%AE%9A%E3%81%AE%E5%B7%BB-%E5%B2%A9%E6%B3%A2%E7%A7%91%E5%AD%A6%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%83%BC-%E4%BD%90%E8%97%A4/dp/4000295942/ref=sr_1_3?ie=UTF8&qid=1413555767&sr=8-3&keywords=%E3%81%97%E3%81%BE%E3%82%8A%E3%81%99

気軽に読めます。
両著者はほかにも同様の本を出しているので、まずはこれらを読んではいかがでしょうか。
いきなりマジの疫学や統計学の教科書を、臨床家が読むのはきついと思います(それをやるとたぶん疫学・統計学を嫌いになる)。



●日本衛生学雑誌:疫学の基本をわかっていないと厳しいと思う。いきなり手を出すとヤケドしそう。

医学における因果推論 第一部―研究と実践での議論を明瞭にするための反事実モデル―
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjh/64/4/64_4_786/_article/-char/ja/
医学における因果推論 第二部―交絡要因の選択とバイアスの整理および仮説の具体化に役立つDirected Acyclic Graph―
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjh/64/4/64_4_796/_article/-char/ja/


WHO標準疫学
http://whqlibdoc.who.int/publications/2006/9241547073_jpn.pdf

週刊医学界新聞
http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02927_03
http://www.igaku-shoin.co.jp/paperSeriesDetail.do?id=125

http://www.nutrepi.m.u-tokyo.ac.jp/lecture/lecture.html

http://minato.sip21c.org/education-j.html

http://www.kamiyacho.org/about.html

「データ解析のための統計モデリング入門」の著者の講義です。
http://hosho.ees.hokudai.ac.jp/~kubo/ce/IbarakiLecture2014.html

実験系のお話をベースにした統計学かも?
https://www.yodosha.co.jp/jikkenigaku/statistics_pitfall/index.html

【社会疫学】
尊敬するカワチ先生の記事
社会のありようから健康をただす(イチロー・カワチさん=社会疫学研究者/ハーバード大学公衆衛生大学院教授)
http://apital.asahi.com/feature/medical_asahi/2015020300025.html

Society and Health Lab 
http://societyandhealthlab.com/
https://www.facebook.com/societyandhealthlab?fref=ts


社会疫学とは? by なおき先生
http://synodos.jp/intro/13901

社会と健康の関連を扱う学問、社会疫学とは byわたし
http://coffeedoctors.jp/news/339/


●文庫本
1)
命の格差は止められるか: ハーバード日本人教授の、世界が注目する授業 (小学館101新書) 単行本 – 2013/7/31
カワチ イチロー (著)
http://www.amazon.co.jp/%E5%91%BD%E3%81%AE%E6%A0%BC%E5%B7%AE%E3%81%AF%E6%AD%A2%E3%82%81%E3%82%89%E3%82%8C%E3%82%8B%E3%81%8B-%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%89%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BA%BA%E6%95%99%E6%8E%88%E3%81%AE%E3%80%81%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%8C%E6%B3%A8%E7%9B%AE%E3%81%99%E3%82%8B%E6%8E%88%E6%A5%AD-%E5%B0%8F%E5%AD%A6%E9%A4%A8101%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E3%82%AB%E3%83%AF%E3%83%81-%E3%82%A4%E3%83%81%E3%83%AD%E3%83%BC/dp/4098251744/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1429710524&sr=8-1&keywords=%E3%82%A4%E3%83%81%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%AF%E3%83%81

↑2014年和歌山県立医大の保健看護学科の入試で取り上げられた

2)
「健康格差社会」を生き抜く (朝日新書) 新書 – 2010/1/13
近藤 克則   (著)
http://www.amazon.co.jp/%E3%80%8C%E5%81%A5%E5%BA%B7%E6%A0%BC%E5%B7%AE%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E3%80%8D%E3%82%92%E7%94%9F%E3%81%8D%E6%8A%9C%E3%81%8F-%E6%9C%9D%E6%97%A5%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E8%BF%91%E8%97%A4-%E5%85%8B%E5%89%87/dp/4022733179/ref=asap_bc?ie=UTF8

まずは上記2つの文庫本がおすすめ。
アマゾンで上記2つの「この商品を買った人はこんな商品も買っています」も関連する本多数あり。

カワチ先生の文庫本は、ハーヴァードのmasterの授業"Health and Society"の内容にかなり近い。

・カワチ先生の授業がedxで無料で受講可能です。
https://www.edx.org/course/health-society-harvardx-ph201x

ハーヴァード公衆衛生大学院の修士課程の必須の授業であるSociety and Healthにかなり近い内容。
英語ですが、スピードも調整できるし、スクリプト(しゃべってる内容)もでるので英語の練習にもお勧め。

・なおき先生のウェッブページ
http://plaza.umin.ac.jp/~naoki_kondo/index.html

・大阪大学でのセミナー。
2012年だけだった?
” 公衆衛生セミナー:日本における健康の社会決定要因 (The Osaka Public Health Seminar: Social Determinants of Health in Japan)」 (疫学各論) (セミナーポスター)【日程】 2012年7月28日(土) から30日(月)【場所】 大阪大学コンベンションセンター”
http://www.msc.med.osaka-u.ac.jp/info/event.html

・一週間のセミナー@ロンドン。毎年やっている印象。一週間なので気軽に行けそう。
https://www.ucl.ac.uk/summer-school-social-determinants-health

・こういうがっちりした濃いコースもあるらしい。ここに行ったことある人は日本人では聞いたことありませんが、、
http://www.chess.su.se/

・ヘルスコミュニケーションの大家:Prof.Kasisomayajula Viswanath(通称:Vishさん)
http://www.hsph.harvard.edu/kasisomayajula-viswanath/

・私が2009 summerに参加したセミナー:オランダ・エラスムス大学。公衆衛生全般を広く学べる。stata使った実習もあった。
http://erasmussummerprogramme.nl/


・WHOの報告書
http://whqlibdoc.who.int/publications/2006/9241547073_eng.pdf

・統計ソフトの使い方@UCLA
http://www.ats.ucla.edu/stat/sas/

・統計ソフトの使い方はyoutubeで検索するとたくさん出てくる。

・疫学・統計学に限らず何でもある、最高で最強?
https://www.edx.org/
こんなの出てくると大学の大講堂の授業って一体・・・となるような気がする。

・Explore Statistics with R@Edx
https://www.edx.org/course/kix/kix-kiexplorx-explore-statistics-r-1524?utm_source=edX+Course+Announcements+Mailing+List&utm_campaign=50257261be-Student_Newsletter_July_Send_2014&utm_medium=email&utm_term=0_237694b56d-50257261be-41202065#.VEV-3PlfZcZ

・ちなみに上記のEdxの日本版と言われるものがあるが、、、
http://gacco.org/

・よしださんが教えてくれた
Johns Hopkins University
https://www.coursera.org/jhu
EdX同様やばいですね。

余談ですが、早くも日本でネット授業を、大学に授業で活用する大学が出てきているようです。
東京工科大学、gaccoが公開するMOOCを講義で活用
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/news/14/100901312/

こういう取組は、絶対やった方がいいと思います。
一流の授業なのにコストフリーだし、しかもEDX使えば英語の練習にもなるし、使わない手はないと思うのですが、なぜ日本の「グローバルグローバル」言っている大学たちは積極的に取り入れないの???


【研究仮説・研究計画・論文作成の基本的な考え方。スケジュール管理の目安。基本的な英語例文など。

JEMNet論文マニュアルーーー神ファイル。要・PDF保存。
http://jemnet.asia/wp/?post_type=wpdmpro&p=109

研究計画も学会抄録も論文もSTROBEに答えることができる内容に。
http://www.strobe-statement.org/?id=available-checklists

研究仮説・研究計画の立て方について説明している気軽に読めそうなサイト
http://www.slideshare.net/akinarimoriya/140123-30346679
http://www.slideshare.net/enango/pico-questions20030608-29575030
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/cadetto/magazine/1101-t2/201105/519537.html
http://spell.umin.jp/EBM.htm
http://www.jichi.ac.jp/openlab/newsletter/letter40.pdf

 " 現在、UMIN上で臨床研究・治験のe-Learningシステムが無料にて利用可能です。

このシステムは、臨床研究・治験に携わる人材育成を目的として

厚生労働省科学研究費補助金 医療技術実用化総合研究事業
(H24-臨研基-一般-002)にて開発されたものです。

UMINのIDがあれば新規登録は不要で、お持ちのUMIN IDとパスワードで
そのまま利用可能です。

また各カリキュラムの必修科目で全て80点以上を獲得すると修了証が
システムより発行可能となります。なお修了証はPDF形式でシステムより
ダウンロードできます。

本e-Learningシステムへは下記のURLからアクセスできます。
https://moodle2.umin.ac.jp/moodle/

UKのSchool of public health & primary careから考える。

UKのSchool of public health & primary careから考える。

UKには"School of public health & primary care"があるんですねー、いいなー。
http://www.phpc.cam.ac.uk/
まさに自分の興味と一致するのは、ここだよなーと思います。香港にもあるようです、いいなー、いいなー。http://www.sphpc.cuhk.edu.hk/MPH/school.html
(アメリカにはあるんでしょうか?ちょっと探した限りでは見つかりませんでした。ちなみにハーバードのプライマリケア7はこれでしょうか https://primarycare.hms.harvard.edu/who-we-are/faculty-and-fellows
言うまでもありませんが、私が知る限り、残念ながら日本にはそのようなものは存在しません。。

も しこれから日本にSPH増やしていくなら、一方でこれまた日本で増えつつある家庭医療な人たち(プライマリケア(PC)な人たち)と、コラボし て、"School of public health & primary care"にしていったらよいのではないかと思います。
理由は、SPHがくっつくことで、PCの研究ができるからです。
研究ができないと大学として評価されないのが日本の現状だと理解しています。
今の日本には、結構多くの家庭医療専門医(made in USA)がおり、まらそれらの弟子の家庭医療専門医(made in JPN)も増えていますが、知る限りでは活動の多くが診療・教育にかなり重きを置かれている気がします。
もちろん質の高い診療・教育は極めて重要なことなのですが、診療・教育だけでは、今の日本の「大学」という組織では、戦えない(評価されない)のが現状だと思います(他の専門科もそれをやったうえで研究をやっていることになっていますので)。
そこでSPH+PCにしてしまえば、研究がカバーできる気がしますし、何よりPCがさらにおもしろくなる気がします。
また、日本以外の国と比べると完全にガラパゴス化してしまっている日本の「public health」の良い落としどころになると思います。

個 人的な認識ですが、日本の大学(もしくは地域の病院)の「総合診療科」とか「地域医療うんぬん科」、それと「医学教育学」の多くの講座(ポスト)が、基本 的にはメジャー科の出世争いからドロップした人のポストだったりする(そうじゃ無いところもありますが)わけで、そのような人が教員になっても、PCとし ての全く専門性が無い気がします(それによりさらにPCの地位低下という悪循環。)。
上述のごとくPCの教育・診療ができるプロはかなり増えてきていると思うので、そろそろPCを見下した人事の構図はやめにして、PCのプロで大学の講座を作り変えるそうな気がしますがそういう動きはないものでしょうか(有ったらぜひ教えてください)。
今 プライマリケア(PC)をしている人たちが、別に大学という場所に物理的に移動する必要は必ずしもなくて、今の診療所がUniverity- affiliated診療所ということになればよいだけの話だと思います(MGHやブリガムやBethもハーバード関連病院ですよね、それの診療所版で す)。
上記の妄想の問題点は、現在PCを市中でされている方にとっては、この話は実質的にはあまりうまみが無いというところでしょうか。
大学の組織になると、
悪いことはすぐにいろいろ思いつきます:縛りもかなり増えフレキシブルなことができなくなり、大学特有の”不思議な仕事”もきっと増えますし、こと日本の場合は大学職員になると給与が低下するでしょう(苦笑)


いただいたコメントメモ:

・Aさん
 イギリスも大規模なSPHはPrimary Careと一緒じゃない所も多いので、必ずしも好きでくっついているかどうか分からない面もあるかと思います(OxfordやCambridgeのPublic Healthはイギリス国内でもあまり大きくないです)。学会等はPHとPCは全く別ですし・・・ 一方カナダはPublic healthのresidencyに入ると、まずFamily physicianになることが必須で、その後PHの実習をして、ダブルの専門医になるので、より統合されているかもしれません・・・少なくとも医師に関しては。

・Bさん
日本でも少しずつSPH+PCのプログラムはできてきているようですよ。
後期研修プログラムだったり、フェローシップだったり、様々ですが。
思いついたところを挙げてみますね。

①岡山大学+奈義ファミリークリニックなど:「目玉の一つが地域で働きながら、TV会議やE-Learningを主体にMPH(公衆衛生学修士)を2年間で取得できるコースの創設です。」

②京都大学+北海道家庭医療センター:「家庭医療ならではの臨床研究の意義や、研究実施に必要なデザイン・統計解析の知識を幅広く身につけ、臨床現場から研究を発信できる能力を養成していきます。」http://www.fmap4c.jp/

③富山大学(SPHは他大学):「本コースは前半の3年間は家庭医研修を行い、後半の2年間は家庭医アドバンスコース(選択研修:小児科、産科、救急など)で研修する合計5年間のコースである。更に、将来の指導者になるために、大学院(公衆衛生修士あるいは医学教育修士)へ進学することを推奨する(Clinician Researcher(総合診療の教育・診療)、Clinician Educator(総合診療の臨床研究する))。」
富山大学というよりは、チーム北陸的な感じがしますね。

富山の山城 清二教授は、沖中&HSPHで、PC&SPHですね。こういう上司がいるといいだろうね。

山城 清二
http://researchmap.jp/read0043658/


・Cさん

慈恵医大のMasato Matsushima先生のところとかもでしょうか?
http://www.jikei.ac.jp/ekigaku/medical/index.html
臨床疫学研究室
jikei.ac.jp

日本の公衆衛生大学院(School of Public Health)まとめ

日本の公衆衛生大学院(School of Public Health)まとめ

自分のメモがてらまとめてみました。記憶で作成しているので、追加や変更などあればぜひ教えてください!

2014年11月18日 4:45作成
2015年3月18日修正

1)Schoolが独立している。いわゆるSPH。もちろんMPHも出している。
・帝京 2014年4月開講
http://www.teikyo-u.ac.jp/graduate_school/sph/

・長崎general MPHというよりは、「国際保健健康開発研究科」という名前が示す通り、グローバルヘルス(途上国医療)って感じ。
http://www.tm.nagasaki-u.ac.jp/mph/

・聖ルカ 2016年4月から?うえっぶサイトは調べた限り未だない。

2)Schoolは独立していないけど、医学部(医学系研究科)の中で、SPH関連の講座が増えている。「増えている」の定義が難しいが、文科省の認可が一つに基準かなと。もちろんMPHも出している。
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/senmonshoku/08060508.htm

東京大学大学院 医学系研究科 公共健康医学専攻 公衆衛生学修士(専門職) 30人
・京都大学大学院 医学研究科 社会健康医学系専攻 社会健康医学(専門職) 34人
・九州大学大学院 医学系学府 医療経営・管理学専攻 医療経営・管理学修士(専門職) 20人

3)上記に含まれていないけど、関連の講座が増えて、MPHを出している。
・保健医療科学院(ある意味老舗)←たぶんもう無い。

・筑波(学部と大学院が1:1の対応しないので組織は複雑怪奇)
http://www.md.tsukuba.ac.jp/FrontierSite/old/Lectures/MPH.html
・阪大
http://www.pbhel.med.osaka-u.ac.jp/
・岡山:2014年から
http://www.hsc.okayama-u.ac.jp/mdps/menu01/H26-MPH.pdf
・東北:2015年から
http://www.sph.med.tohoku.ac.jp/
・慶應 2015年開講 http://gshm.sfc.keio.ac.jp/education/ph/index.html
http://gshm.sfc.keio.ac.jp/education/ph/index.html


4)MPH出していないところ。疫学勉強したければ、博士(医学)に入るところ。
・上記以外の大学全て。

以下の学術会のレポートで、各地区に1つSPHをつくろう的なことが書いてあり、今後は北大と名古屋に作られそうな気がする(希望的観測)が、
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-21-t133-8.pdf
ちなみに残りの旧帝大のうち、北大と名古屋は、私が知る限り未だ開講の動きなし。

 名古屋は人がかなりいるのでできそうな気もする(がん疫学中心)が、北海道は(以下自粛)。

名古屋の疫学屋さんがたくさんいるところ。
http://www.pref.aichi.jp/cancer-center/ri/01bumon/01ekigaku/421-01-06.html

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

以前書いた以下のノートをここに統合。

日本の公衆衛生public healthの特異性。
2014年8月21日 14:33


某お友達が書いていたのにインスパイアされて私も。

次の日本疫学会のテーマ「医療行政から見た疫学研究、疫学から見た医療行政」だそうですね。
http://www2.convention.co.jp/jea25th/

行政(政策)の議論が、「医療」とついているのが残念だと思いました。
いつからかは知りませんが、世の中では「Health in All Policies (HiAP)」と言われています。
http://www.euro.who.int/en/health-topics/health-determinants/social-determinants/policy/entry-points-for-addressing-socially-determined-health-inequities/health-in-all-policies-hiap
http://www.health-inequalities.eu/HEALTHEQUITY/EN/policies/health_in_all_policies/
つまり、全ての政策において健康影響を評価しよう(健康を考えよう)ということです。
健康を規定するのは医療政策(日本では厚生労働省)だけではありません。
日本でたとえれば、国交省は道路を作るときには、人が歩きやすい&事故が少なくなる道路を、農水省は健康のことを考えて農業政策を、などでしょうか。
いくら厚労省が頑張って全ての子どもに無料でワクチン接種しても、交通事故でたくさん子どもが死んでしまったら意味ないです。
国交省が車のことばかり考えて、歩いたり自転車に乗にくい道路ばかりを作ったら、多くの人の運動量は減ることでしょう。
このように健康に関係しない省庁って少ないと思います。
だからみんなで考えましょうね、と考えられています。


ここにいらしている多くの方がご存知な気がしますが、日本の公衆衛生public healthはかなり世界のそれと性質を異にしています。
日本では、公衆衛生という研究室は、医学部の1つでしかありませんが、多くの国では、public heatlhは1つの学部レベルの大きさです(公衆衛生学部、みたいな感じ。と言っても通常は学部ではなく大学院ですが)。


Harvard School of Public Health(HSPH)の源流は1913年に発生し当時はMITやHarvard Medical School(HMS)と一緒だったようですが、その後、財団からの支援を受け、MITから独立し、HMSから独立し、1946年に完全な”独立”に成功 しております。
"In 1946, no longer affiliated with the medical school, HSPH became an independent, degree-granting body."
http://www.hsph.harvard.edu/history-of-the-school/
たった(?)33年で、”自立”したようです。


HSPHは世界の1例にすぎませんが、多くの国では、public healthはmedicineのもの(範疇の物)ではないと思います。
日本のpublic healthはいつまでmedicineの中に留まっているのでしょうか。
現 状のままでは、研究・医療政策においても弊害が多いですが、それにとどまらず、大学(院)教育においても、教員(特に准教授以上)がMDじゃないと困ると いう理屈で、私と同じような世代で明らかに増えていると思われる「nonMD PhD」の就職先がかなり少ない・限られるなど、弊害の方が多い気がします。


SPHの増加・独立については、「道州制の枠組みなどにおける”州”に1つ以上のSchool of public health(SPH)を」という学術会のレポート
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-21-t133-8.pdf
で主張はされてはおりますが、残念ながら、約20年前のそれ
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/13/15-17.pdf
から既に指摘されていることです。
この20年前のレポートはかなり今でもそのまま使えます・・・つまり・・・残念ですね。
他にも日本におけるSPHの必要性についてのこういうレポートや議論はすでに十分存在していると思います。
後は実際にやってみるというフェーズだと私は思います。

なぜ日本の大学では、SPHが独立できないのでしょうか。
日本の大学のこの業界の教授たちがどれほどこれをやろうとされているかは私は知りません。
ここでは先人たちがそれに向けて動いているものの残念ながら達成できていないという前提で議論を進めます(この過程が間違っているならば現状は論外ですが・・)。
独立行政法人と言ってもその実態は、”官立”であることの影響が大きいのでしょうか。
運営交付金という形で国立大学は文科省からたくさんお金をもらっているから、お上(文科省など)の言う通りにしなければならないのでしょうかね。
大学教員の給与も、学生の授業料も、学部の定員も、お上に確認、というところでしょうか。
その点、私立大学の方が自由にいろいろできるんですかねー(もらっているお金の額は圧倒的に小さいので、まぁ想像ですが)。
日本で唯一医学部から独立しているのは、帝京大学のみです(私が理解している限りでは)。
私立大学だからできたんでしょうかね(関係者の話を聞くと理事長のかなりの理解があるようです)。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AC%E8%A1%86%E8%A1%9B%E7%94%9F%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E9%99%A2#.E5.85.AC.E8.A1.86.E8.A1.9B.E7.94.9F.E5.A4.A7.E5.AD.A6.E9.99.A2.E8.A8.AD.E7.BD.AE.E5.A4.A7.E5.AD.A6

他の私立大学が続けるのかわかりませんが、聖ルカとか亀田あたりに頑張ってほしいですなー。KOも作るかも?という話も聞きました。
あまりお金になる学問ではないので、いわゆる有名私立は残念ながら食いつかないでしょうね、、、



関連ノート:
UKのSchool of public health & primary careから考える。

日本の在宅診療

日本の在宅診療

2014年10月24日記載

前・ボストン市長のがん治療中止の記事に関連した在宅死亡の記事から、日本の在宅について調べてのでついでにメモ。
http://www.boston.com/health/2014/10/24/why-cancer-patients-like-menino-stop-treatment/nsz5lXzq2Z34IbdiMEX1AK/story.html

まず基本的な日本の「在宅医療の最新の動向」@厚労省資料
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/zaitaku/dl/h24_0711_01.pdf
http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/tdfk01-02.pdf
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suii09/deth5.html


都道府県別の在宅死亡割合がある資料
http://www.nikkei-rim.net/glocal/glocal_pdf/105PDF/105data.pdf
予想に反してわが地元新潟県が14.6%で同率第2位と在宅看取りが多い県らしい。

上記には、北海道が在宅死亡割合が低いことを問題視するような記述があるが、人口密度が違い過ぎるわけで、個人的にはナンセンスだと思う。
在宅は基本民間経営なわけで、人口密度が高い方が、医療提供側としては効率が良いわけで、参入しやすい。
そして高齢者人口の割に相対的に人口当たりのベッド数が少ないところは今後のニーズが期待できる→それが最近の関東での若手Dr.も含めた(複数医師による)在宅サービス展開増加の動きの要因。
逆に言えば、1)人口密度が小さな過疎地域、2)すでに高齢化のピークを迎えているところ、3)入院ベッドがたくさんある、ところは、在宅診療の効率が悪く、またそのニーズが小さく&今後のニーズ増加も期待できない、


 二木立氏の論文
http://dl.med.or.jp/dl-med/nichikara/isei/isei2014_3.pdf
「在 宅は常に安上がりというわけではない。特に重症では施設の方が安い」など、氏の視点は、通常聞くような視点と違っていることが多く面白い。通常と異なるこ とを書いている人の多くはデータに基づいていなかったりすることが多いが、氏はデータを提示してくれるのでこの論文に限らず氏の著書は読む価値があると思 う。


 仙台往診クリニックの報告書
http://www.oushin-sendai.jp/download/pdf/c03/research/02.pdf


2015年3月1日追記


2/26のNHKクローズアップ現代で在宅ケアの特集あり。
http://www.jvnf.or.jp/newinfo/youbou111005-2.pdf

ついでに小児の在宅医療について調べてみた。

総論的な議論。
http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02945_01

厚労省も補助金出して整備しようとしているようです。
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/zaitaku/dl/syouni_zaitaku_teikei.pdf

以下の以下のP.15に関連資料有。
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/zaitaku/dl/syouni_zaitaku_teikei.pdf
長野の子ども病院ってなにかと有名ですねぇ。

そういえば、手稲時代の先輩が、小児の在宅やっているの思い出した。
http://www.toseikai.net/visitex/

法人内ベンチャー企業みたいなもんだよなー、やっているドバタさんも金を出す法人もどちらもすごいと思います。

コスパの良い赤ワインの選び方

コスパの良い赤ワインの選び方

我が家は時々赤ワインを買って飲むのですがさっぱりわかりません。
ボースに、コスパの良い赤ワイン購入のポイントを教えていただいたので、これはきっと私のつぶやきや論文よりもはるかに多くの人の生活の質を向上させるのではないかと思いここにメモしておきます。
我が偉大なるボースは、Professor of globally alcohol drinking も兼任しており、お酒の権威でもあります。
ポスドクの月1のミーティングの時には、食べ物の準備は我々に一任するけど、お酒は必ずご自身で準備するというこだわり。

前置きが長くなりましたが、ボースの勧める「$10くらいでおいしい。」赤ワインたちです。

●Abstract
Best buy
1)cabernet sanvignon「きゃべねー。カリフォルニア 15ドルくらいかも フランスはやめておけ」

2)merlot 「めるろー、カリフォルニア。チリなど南米もよい」

3)malbec「まるべっく。アルゼンチンがよい」

4)Bogleぼーぐる?
5)Petite Sirah 「安いときなら8ドルくらいで」


Do not buy
1)60ドル以下のpinot
2)トレジョの2-3ドルのワインww



●おすすめ詳細
1)cabernet sanvignon「きゃべねー。カリフォルニア 15ドルくらいか フランスはやめておけ」

カベルネ・ソーヴィニヨン(Cabernet Sauvignon カベルネ・ソヴィニョンとも)は、世界で最も名の知られているワイン用のブドウの品種の1つである。”
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%8D%E3%83%BB%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%8B%E3%83%A8%E3%83%B3

2)merlot 「めるろー、カリフォルニア。チリなど南米もよい」

メルロー(Merlot, 「メルロ」 と表記することも多い」)は、フランスのボルドーを発祥地とする代表的な赤ワイン用ぶどう品種である。同じボルドーの代表的なぶどう品種であるカベルネ・ ソーヴィニョンに比べると、色はやや朱色を帯びており、香りはカベルネ・ソーヴィニョンがヴァイオレットやブルーベリーのような、フローラルな香りがする のに対し、メルローはプルーンのような、熟した黒い果物の香りがすると言われている。味は、カベルネ・ソーヴィニョンほど、酸味やタンニンは強くなく、芳 醇でまろやかな味わいである。”
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%8D%E3%83%BB%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%8B%E3%83%A8%E3%83%B3

3)malbec「まるべっく。アルゼンチンがよい」

” 数ある赤ぶどうの中でも、個性的な品種である。個性の第一は、果皮が厚いため、ワインは俗に「黒ワイン」と呼ばれるほどに色が濃いこと、第二に、非常にタ ンニンが豊富であること、それに、若いワインでは、ブルーベリーの香りまたはヴァイオレットの香りと表現される、果実の香りというよりも、花や化粧品を連 想させる強い香りであることが挙げられる。”
”フランス以外で多く多く作られているのは、アルゼンチンである。「穀物や野菜よりも牛肉の方が安い」といわれる国で、肉料理に合う濃いワインが好まれるためだろう。当地の気候風土に合うこともあり、アルゼンチンを代表する品種となりつつある[1]。
1990年頃から話題になった「フレンチパラドックス」で注目されたポリフェノールの含有量が最も高く、「健康」をうたったぶどうジュースやワインには、この品種が多く使われている。”
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%83%99%E3%83%83%E3%82%AF

4)Bogleぼーぐる?
調べてみよくわからず。。なんのことかわかるエロい人いたらぜひ教えてください。

5)Petite Sirah 「安いときなら8ドルくらいで」
” カリフォルニアの固有品種でプティ・シラー(Petite Sirah)というブドウ品種があります。1990年代までは、ジンファンデルやカベルネソーベニヨンブレンドとして使用されていましたが、ここ最近とく にプティ・シラー主体のワインが注目を浴びています。 長い間、起源が謎の品種であったようですが、1998年のDNA鑑定の結果、カリフォルニアで栽培 をされている90%プティ・シラーは、南仏の品種Durif と Syrah のDNAを半分ずつ有していることが判明しました。残り10%はPeloursinとSyrahのDNAを持つものとなります。”
"Petite Sirahと Syrah は、同じ‘シラー’ですが、英語のスペルが違います。
ブ ドウの大きさも、プティ・シラーの方が小粒になり、より濃縮感があります。プティ・シラーの味わいの特徴は、長寿、濃色なダークパープル、タンニン、ブ ラックベリーやブルバリーの香りのするエキゾチックでパワフルでワインです。造り手の個性が反映されやすい魅惑的な部分も持ち合わせています。味のしっか りしたお料理に合います。また鹿とか子羊などくせの強いガッツリ肉系。ベリー系ソースにススメ。
濃厚なワイン、シラーやカベルネソーヴィニヨンをお好みの方は是非お試し下さい。"
http://www.winepeoplelink.com/2012/12/05/12052012/

●買ってはいけない:

1)pinot 60ドル以下はまずいから安いのは買ってはいけない。
" カ ベルネ・ソーヴィニヨン種(Cabernet Sauvignon)とあらゆる部分に於て対照的な品種であり、ピノ・ノワール種を用いた赤ワインは比較的軽口で、渋み、タンニンが少ない。このため、カ ベルネ・ソーヴィニヨン種が上級者向けといわれるのに対し、ピノ・ノワール種は、テンプラニーリョ種(TEMPRANILLO)と並んで、赤ワイン初心者 向けと宣伝されることも多く、軽口で飲みやすいものが多い。"
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%83%8E%E3%83%BB%E3%83%8E%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%AB

2)トレジョの2-3ドルは飲んではいけないww


●その他:
一旦コルクをあけたら当日中か遅くとも翌日には飲み切れと。2人で1本あけるのが基本であると。基本結構きついんですが、みなさんそんなに飲むの・・・?(少なくともスペイン人の同僚は確かにそれくらい飲むw)


コメント

Aさん
完全にアメリカンの好みですね。
1)カリフォルニアのカベルネ・ソーヴィニヨンは30ドル近辺からでないとなかなかよいのは見つからない印象。10ドル台で探すならジンファンデル。ちなみにボルドーはCS100%ではないので、カリフォルニアとは違う。
2)メルロー、大体同意。意外とブリティッシュコロンビアがよい。ボルドーでは漫画の影響もあるが日本でも大人気のシャトー・モンペラがメルロー80%でかなりよい。ボストンなら手に入るかも。
3)マルベック アルゼンチン一択だが、ブレンドならカオール(フランス)がよい。30ドル。
4)Bobal? ならスペインでこれはマニアックだが一度試したことがある。よかったと思う。安い。最近は私スペインがけっこう好きなんだが、ラベルが面白い。基本安い。テンプラニーリョが有名だが土着品目がすごい。
5)知らなかった。
6)NZ産のPNは最近はかなり高くなってきたものがあるが、基本的にブルゴーニュやカリフォルニアのブティックワインの1/3の値段で凄いものがある。クラウディ・ベイとかスパイヴァレイが手に入りやすいかなあ。30ドル。

イタリアワインは難しすぎて(当たり外れが多すぎて)、あんまり手が出ない。現地で飲むととてつもなく美味いんだけどねえ。
→ イタリアはマズイを輸出してうまいのは自国で消費しているのかもですね(´Д` )

自殺についての統計データなど

時々自殺について言及している気がするので、メモ。

2013年1月記載

・市町村別 男女別 10歳階級別 自殺者数 内閣府の外郭組織
http://www.esri.go.jp/jp/archive/jisatsu/yearly/h22_1-13.pdf

・なんで厚労省の人口動態統計と警察庁の数字は違う(警察庁>厚労省)なの?

警察庁「自殺の概要」
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/suicide04/16.html#4

警察庁のまとめた「自殺の概要」から一部を抜粋して紹介すると次のとおりである。
なお、警察庁のまとめた「自殺の概要」の自殺者数と厚生労働省のまとめた「人口動態統計」の自殺死亡数の差異は下記によるものである。

1  調査対象の差異 警察庁では、総人口(日本における外国人も含む。)を対象としているのに対し、厚生労働省は、日本における日本人を対象としている。

2  調査時点の差異 警察庁では、発見地を基に自殺死体発見時点(正確には認知)で計上しているのに対し、厚生労働省は、住所地を基に死亡時点で計上している。

3  事務手続き上(訂正報告)の差異 警察庁では、死体発見時に自殺、他殺あるいは事故死のいずれか不明のときには、検視調書または死体検分調書が作成され るのみであるが、その後の調査等により自殺と判明したときは、その時点で計上する。これに対し、厚生労働省は、自殺、他殺あるいは事故死のいずれか不明の ときは自殺以外で処理しており、死亡診断書等について作成者から自殺の旨訂正報告がない場合は、自殺に計上していない。

・日本の自殺は多いの?
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/2774.html
 日本は多いです。多いのは、旧共産圏とアジアという印象。
お隣韓国が大変なことになっています。
中国のデータがありませんが非常に気になりますねぇ(まぁ中国は政府により他殺も・・・)。


2015年3月追記

日本の自殺の男女別年齢別推移。
http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/whitepaper/w-2013/html/honpen/chapter1-03.html

ページ上部は、実数で、上記の真ん中あたりに人口を補正したもの(10万人当たり?)がありますね。
どちらで見ても要は「中年のおじさん」が最も自殺で死亡しており、続いて高齢者、という感じです。
最近の数字は、アジア通貨危機のあたりの急激に上昇する前のレベルくらいまで戻っていますね、若者を除いては。

韓国の自殺についての日本語の資料
http://catholic-ota.net/pdf/lecture%20material%20of%20korea_japaness.pdf

2009年時点で、韓国の死因は、がん・脳血管・心臓病に続いて、第4位が自殺って・・・

SASとRとSTATAとSPSSを比較してみる

2015年8月27日追記

異なる統計パッケージについて、「使い分け:SASではできてSTATAではできないような一般的な統計処理などはあるの?」というお問い合わせあり、回答ついでにここに意見貼り付けておきます。

皆さんからのご意見・突っ込みお待ちしております。

坪谷の回答:
お問い合わせの件ですが、それぞれパッケージでできること、できないことは違います。
基本的な解析はまぁなんでもできるでしょうけど、新しい方法(ex.propensity score matchingやmultiple imputation(MI) etc)は、パッケージにより、またバージョンにより、できたりできなかったりします。
またできたとしても、さくっとできるものもあれば、そのプログラムを書くのがすげー面倒なものもあります。
また解析に時間がかかるものもあります(MIで1日以上かかることも)。
また同じくできるにしても、バックグラウンドで異なるアルゴリズムで動いており、出てくる推定結果が異なることもあります(まぁ普通は誤差の範囲内でしょうが)。


臨床医は、自分で解析するんじゃなくて、疫学者や生物統計家とコラボして、解析お願いしたら?
もちろんその人も共著者に入れてですね。
その方が何かといいと思いますよ。
楽 だし、結局、疫学と統計学わかんないまま、出てきた数字を拾って言われるままに何となく論文作っても、論文のレビューの特に、レビューワーから疫学・統計 学的なこと突っ込まれて(一流雑誌にはふつうレビューワは一人はそういう人が入るので)答えられないのは勿体ないと思うので。


それも含めて自分でやるんだー!!というのは、まぁそりゃできるに越したことはないでしょうけど(一般論ですが)かなり大変だと思います。


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2015年6月5日追記

「とりあえずどの統計ソフト使ったらいいの?」と聞かれることが結構あります。

もちろん絶対的な正解はありませんが、現時点では、基本的には今から使い始めるなら、STATA+Rが良いと思います。

いきなり両方は難しいと思うので、まずはSTATAが良いのではないかと。

コマンドが簡単ですし、クリックしての解析も簡単です。

STATA使いながら、疫学・統計の勉強をして、疫学の経験値も上げていき、途中からRも使いだすというので良いのではないでしょうか。

いきなりRは結構敷居高いかも(嫌いになるかも)

SASはライセンス維持が結構いろんな意味で大変な気がします。


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2015年1月15日記載

今日はこんなことで1日が過ぎてしまったーーーー、正直研究的には不毛でしたが、せっかくなのでシェア。


(以下は一般論ではなくデータの内容や解析にも依存するのでしょうけど・・)


今日、ちょっと訳あって、同じ解析を、SAS,R,STATA,SPSSでやりました(全部私の1台のPCに入っていますw)


行ったのは、単純な回帰(reg@SAS,STATAとかlm@R。SPSSはクリックしただけなので良くわからずw)です。


使用したデータには欠損があります。
私の理解では、統計パッケージでは、作成した統計モデルに含まれる変数について欠損があれば、その変数は統計モデルから自動的に削除して解析がされるという理解でした(これはたぶん真実だと思うのですが・・)


同じ解析をしているので、どれも解析対象Nは同じになると思いきや・・・・
解析に使用されているNが異なってる!!
同じデータセットで同じ解析をしているのに、解析に使用されたNが、SAS=R と SPSS=STATA、で違いました(苦笑)
幸い、同じNを用いた場合の結果は「ほぼ」(←重要)同じでした。つまりSASとRは同じ、SPSSとSTATAも同じ。で、SASとSPSSは異なる←N違うしね。
いろいろ考えましたが、違いわからず・・・。ためしにcomplete caseだけのファイルをSASで作って、それをSTATAやRで解析しても、それもNが異なる始末。謎すぎるのですが、あまり本題ではないので、追及はここら辺で終了。
データのせいなのか、パッケージ側の原因なのか・・・後者でないことを祈る・・・

SASとSTATAは、解析後に使用したNが出るので、いいのですが、RとSPSSは出ない?のでしょうか。

Rで解析に使われたNが出ないのは意外でした。きっとRのことですからオプションで出るんでしょうけど。

SPSS ほとんど使ったことないので、よくわかりません(使い方によっては出るの?)が、特にSPSSを使っている人の多くは、「あまり数式とかわかっていないけ ど、いろいろクリックしたら結果が出てここ見ればいいんでしょ」的な人が多い印象で、これはちょっと危ないのではと思いました。
(SPSSのアウトプットには「自由度」が記載されており、そこからNを推測可能ではありましたが、そのことをSPSSをクリックで使っている人のうちどこまでそれを理解しているのだろう・・)

それとSPSSだけが、有効数字が小さいですね。
1未満の係数で、有効数字2ケタとか少なすぎでは・・・せめて3桁あった方がいい気がしますが、どこかいじるとでるんでしょうかね(SPSSよくわからん)。
他の3つ(SAS,STATA,R)はデフォルトで、要らないくらいにたくさん数字を出してくれますね。

SPSSは、標準化回帰係数もデフォで出してくれるので楽。(これまたSPSS使っている人が、偏回帰と標準化係数の違いを理解しているのか謎ですが・・・)



今日はこんなことで1日が終了・・・
プログラムを書くことよりも、データの取り込みで結構時間使ってしまった印象・・・
もっとスムーズに4つを同じくらいに使いこなせるとよいのですが!


追加メモ:
・確かに使用されたsample sizeを表示しないですね。degrees of freedomから読みとるか、
design matrixの行数を数えればいいでしょうか。
http://rpubs.com/kaz_yos/n-of-obs (実行例にpredictも足しました)

上記RPubsではdesign.matrix()をつかって調べています。まあ、すべてがprogrammableなので、summary methodを書き変えてオレオレsummary()にして最初に使用されたsample sizeを表示するように改造すればいいかもしれません。


・http://www.statmethods.net/stats/regression.html
より抜粋。
# Multiple Linear Regression Example
fit <- lm(y ~ x1 + x2 + x3, data=mydata)
summary(fit) # show results
fitted(fit) # predicted values →使われたデータ数と一致するはず


・SPSS
https://l.facebook.com/l.php?u=ftp%3A%2F%2Fpublic.dhe.ibm.com%2Fsoftware%2Fanalytics%2Fspss%2Fdocumentation%2Fstatistics%2F20.0%2Fen%2Fclient%2FManuals%2FIBM_SPSS_Statistics_Command_Syntax_Reference.pdf&h=5AQENVnfz

REGRESSION (p.1738)

DESCRIPTIVES Subcommand (P.1752)

DESCRIPTIVES requests the display of correlations and descriptive statistics. By default, descriptive statistics are not displayed.
N: Display numbers of cases used to compute correlation coefficients in the Correlations table.
ALL: All descriptive statistics.

MISSING Subcommand (P.1755)

MISSING controls the treatment of cases with missing values. By default, a case that has a user-missing or system-missing value for any variable named or implied on VARIABLES is omitted from the computation of the correlation matrix on which all analyses are based.

The minimum specification is a keyword specifying a missing-value treatment.

LISTWISE: Delete cases with missing values listwise. Only cases with valid valuesfor all variables named on the current VARIABLES subcommand are used. If INCLUDE is also specified, only cases with system-missing values are deleted listwise. LISTWISE is the default if the MISSING subcommand is omitted.

PAIRWISE: Delete cases with missing values pairwise. Each correlation coefficient is computed using cases with complete data for the pair of variables correlated. If INCLUDE is also specified, only cases with system-missing values are deleted pairwise

MEANSUBSTITUTION: Replace missing values with the variable mean. All cases are included and the substitutions are treated as valid observations. If INCLUDE is also specified, user-missing values are treated as valid and are included in the computation of the means.

INCLUDE:Includes cases with user-missing values. All user-missing values are treated as valid values. This keyword can be specified along with the methods LISTWISE, PAIRWISE, or MEANSUBSTITUTION.

By default, descriptive statistics are not displayed.→デフォルトでだしてよ~

日本の教育、「グローバル人材」

2015年8月12日追記

語学コンプレックスなど持つ必要はない!忘れられがちな「グローバル人材」の共通点
http://diamond.jp/articles/-/76190

"文部科学省と経済産業省が共同で事務局を務める「産学人材育成パートナーシップグローバル人材育成委員会」が発足したのがひとつのきっかけだろう。この委員会が出した『報告書~産学官でグローバル人材の育成を~』(2010年4月)では、以下のように定義をしている。

  グローバル化が進展している世界の中で、主体的に物事を考え、多様なバックグラウンドをもつ同僚、取引先、顧客等に自分の考えを分かりやすく伝え、文化 的・歴史的なバックグラウンドに由来する価値観や特性の差異を乗り越えて、相手の立場に立って互いを理解し、更にはそうした差異からそれぞれの強みを引き 出して活用し、相乗効果を生み出して、新しい価値を生み出すことができる人材(50ページ)

 この定義には決定的に足りない要素がある。それは「べらぼうに仕事ができること」だ。"

http://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/san_gaku_ps/2010globalhoukokusho_summary.pdf

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2015年06月20日追記

おそらく日本人に意外と知られていない大学進学率の国際比較。実は他の国はもっと大学に行く人が多いのですよ。

・文科省資料
http://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/giji/__icsFiles/afieldfile/2013/04/17/1333454_11.pdf
・見やすい
http://www.globalnote.jp/post-1465.html
・解説
http://www.postsecondaryanalytics.com/us_highed_blog005/




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2014年12月30日追記

●「グローバル人材」
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/npu/policy04/pdf/20120604/shiryo2.pdf

 “我が国がこれからのグローバル化した世界の経済・社会の中にあって育成・活用していくべき「グローバル人材」の概念を整理すると、概ね、以下のような要素が含まれるものと考えられる。

要素Ⅰ:語学力・コミュニケーション能力
要素Ⅱ:主体性・積極性、チャレンジ精神、協調性・柔軟性、責任感・使命感
要素Ⅲ:異文化に対する理解と日本人としてのアイデンティティー

○ このほか、「グローバル人材」に限らずこれからの社会の中核を支える人材に共通して求められる資質としては、幅広い教養と深い専門性、課題発見・解決能 力、チームワークと(異質な者の集団をまとめる)リーダーシップ、公共性・倫理観、メディア・リテラシー等を挙げることができる。“

こ んな感じで、内閣府の資料では、「グローバル人材」という概念の構成要素は、語学は「グローバル人材」なる概念の構成要素の1つ(正確に言えば構成要素の 1つのうちに含まれる1つ)にしか過ぎないわけですが、どうも日本のメディアを見ている限りでは、いまだに「英語ができること」ばかりが強調されていて謎 すぎます。

おそらく報道関係者は以下のような人なのではないかと邪推します。

1)元の資料を読む習慣がない(うわべだけのコピペ報道。これはグローバル人材関連報道に限らない)
2)報道している人自身が「グローバル人材」ではないのでその概念を理解もできず「英語ができる=グローバル人材」だと思っている

上記の文科省のすべての基準を満たすことはかなり難しい気もしますが、現実問題の仕事上では、最低限必要なのは、何か1つ専門性(強み)+母国語以外の語学、だと思います。
何かできることが合って初めて、他の語学を学ぶことが更なる強みになると思います。
日本語でも何もできない人が、母国語以外の語学をやったところで、何か仕事ができる可能性は極めて低いのではないかと思います(日本に無い概念の仕事は除く)。
2つ言語ができたところで、今の時代それでは仕事にならない(お金は稼げない)と思いますけどねぇ。
昔 はちょっと外国語ができるだけでも仕事ができたのかもしれませんけど、英語はペラペラでも中身もペラペラの人は、そんな人は世の中に大量にいるから、国内 でやたらと語学だけ磨くのは投資対効果かなり悪いと思います。趣味なら別にいいと思いますが(スポーツ楽しんでいるのと同じ)。


英語表記:”globally competitive individuals/individuals with globally competitive skills”

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以下のニュースをきっかけに、いろいろ調べて良い資料もあったので、以前の関連するノート(このページの下部)を修正する形で追記(これ以上ノートの数増やしたくない(苦笑))

財務省 35人学級を40人に戻すべき
10月23日 6時09分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141023/k10015624931000.html
” その効果について財務省が検証した結果、1年生とほかの学年を比べたいじめや不登校の発生割合は、導入前の5年間の平均で、いじめが10.6%、不登校が 4.7%だったのに対し、導入後の2年間は、いじめが11.2%、不登校が4.5%となり、目立った改善がみられないとしています。そのうえで、従来の 40人学級に戻した場合、必要な教職員の数はおよそ4000人減り、国の負担はおよそ86億円減らせると試算しています。”

文科大臣としては当然の返事
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141024-00000067-jij-pol
” 下村博文文部科学相は24日の閣議後記者会見で、財務省が国費捻出のため、公立小学校1年生で導入されている35人学級を2015年度から40人学級に戻 すよう要請する方針を示していることについて、「教員の負担増や子どもの教育環境の悪化につながる」と述べ、認めない考えを表明した。”

2012.06.19 Tue
OECD諸国との教育支出の比較から見る日本の教育課題
畠山勝太 / 国際教育開発
http://synodos.jp/education/1356


文科省資料:日本の状況と国際比較など
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo9/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2012/10/25/1326999_7_1.pdf

ISSUE BRIEF少人数学級導入をめぐる議論 ―学級編制標準と教職員定数の改善に向けて― 国立国会図書館 ISSUE BRIEF NUMBER 705(2011. 3.24.)
http://www.ndl.go.jp/jp/diet/publication/issue/pdf/0705.pdf

財務省に異議あり いじめ認知増で35人学級から40人学級へ? データの誤読、正反対の結論
http://bylines.news.yahoo.co.jp/ryouchida/20141024-00040224/

日本の教員働き過ぎ?=授業外で多忙、勤務時間最長-自信のなさも・OECD調査
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201406/2014062500848&g=soc

小中一貫「成果あり」が87%=初の実態調査-文科省
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201409/2014091900170&rel=y&g=pol

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統合される前のノートのタイトル:
日本の高等教育の国際競争力強化について議論した@Vogel塾
2014年3月7日 12:28

Vogel塾で日本の高等教育の国際競争力強化について議論してとても楽しかったので、記憶があるうちにメモ。

ちなみにVogel塾はこういうもの。部活ですね(笑)
http://www.mbanetworkjapan.com/academic/2013/1410.html

テーマ:ランキング100位以内に日本の大学を10個入れるにはどうしたらよいか?(今は東大と京大だけ)

要は、日本の研究大学の国際競争力を向上させるにはどうしたらいよいですか?ということ。背景は、以下の文科の資料などを参照されたし。

参考リンク

●Timesのランキング(地域別にしたり分野別にしたり項目別にしたりできます)
http://www.timeshighereducation.co.uk/world-university-rankings/2014/reputation-ranking

●上海交通大学 ランキング
http://www.shanghairanking.com/

●教育に対する公的支出は日本は超少ないんです!!!!!社会主義国家ならもっと国が負担すべきでは・・・。
http://www.huffingtonpost.jp/2013/06/25/oecd_education_at_a_glance_2013_n_3496085.html
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/3950.html
http://synodos.jp/education/1356
超見にくい文科の資料も一応(読ませる気があるのかと・・・)。
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/data/kokusai/1332512.htm

●文科省 平成25年度「研究大学強化促進事業」支援対象機関及び配分予定額
http://www.mext.go.jp/a_menu/kagaku/sokushinhi/1338460.htm
40円置くんじゃなくて40億円・・・・w

●文科省「スーパーグローバル大学(苦笑)」事業
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/036/siryo/__icsFiles/afieldfile/2013/10/24/1340612_01.pdf
関連参考サイト
http://matome.naver.jp/odai/2137508524606360301
http://blog.livedoor.jp/mineot/archives/52023747.html

●「日本再興戦略」
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/pdf/saikou_jpn.pdf
※「日本の大学を世界のトップクラスの水準に引き上げる」についての言及があります。

●日本とアメリカの大学の寄付金集めの違い
http://www.wharton-eclub.com/kyouiku/kifu.html


私案1)
旧帝大分割案:生産性の高い研究者のみ残して他は別組織に移行
・・確かにランキングをあげるのかもしれませんが、恐らく日本では合意がなされず実行できなだろう。

私案2)
 小規模大学サポート案:規模の大きな大学のランクアップは大変なので、小規模な大学(奈良や北陸の大学院大学)を100位にいれる作戦。実行可能性もありそうで、コストパフォーマンスも良い気がする。
・・しかし政府が目指しているのは、「新たに100位に入れるのは、(例えば)既存の旧帝大+東工大、筑波、早慶に限る」?


他の案)
●日本独自のランキングを作ればよいw
・・・そんなランキングだれが見る?w
●生徒などによる教育の質の評価により大学の魅力アップ(ダメな教員はすぐに首!)
・・・労働契約法上難しいと思う。じゃぁ重点化する研究大学をすべて労働契約法が適応されない特区にしますか?w
●大学が金をもっと稼ぐfrom寄付・産業界。寄付の税制を変える。
●PhDがベンチャーで成功すればよい→大学院の必須授業で体験・バイトさせる。スタートアップ支援のための環境整備。
●ってゆうか、いろいろ議論する前に教育にもっと税金を出しましょう(諸外国比較データ参照)。
(もっといろいろ議論があったはずだけど忘れたので覚えている人コメントで追記プリーズ!)


余談)
大学教員の任期制の例
みちのく大学の任期:以下のように5年を超える任期性が多くでとられており、医や歯を含むいくつかの部局(学部)では、なんと教授でも任期制が適応されています。
http://www.bureau.tohoku.ac.jp/kitei/reiki_honbun/u101RG00000388.html
補足すると、もちろんこれは新規の人のみで、このルール前に教授になっている人は、適応されません(ここでも世代間格差・・)ので、高齢教授ほど任期なし(=頑張るインセンティブなし。しかし彼らの定年はしっかりどんどん伸びる・・)となります。
個人的には、大学が改定された労働契約法を順守する立場なら、7-10年の任期制はどういう意味があるのかよくわからない(雇用は停止できなくても合法的に退職金でも減らせるのでしょうか?)。他の大学の状況も気になる。教えてw


余談2)
私は、教育って楽しいと思います。
自身と教育については、研修医になってから学生や後輩研修医を教育する機会が多く、それをきっかけに明確に教育について関心を持つようになりました。
でも振り返ってみると、自身と教育の関係はもっとはるか前からで、大学時代は予備校や家庭教師をしていたし、さらに振り返ると、小学生のころは、テストが先に終わっていると先生の採点を手伝ったり、他の人に教えてあげたりしていました。
人によってわからないポイントは違うし、どういう説明をしたらわかってくれるかも違うし、それを探していくのが何か楽しい。
自分が勉強していてわかったときの快感もいいですが、他の人がわかってくれた時の感じがなんとも癖になります。
ということで、いわゆる大教室レクチャーするのは大嫌い。相手の反応がほしいしそれに応じて教え方を変えたい。
教 員という仕事は好きで将来も就きたいけど、なぜか日本の(アメリカもそんな気がしますが)大学教員の仕事のメインは教育じゃなくて研究で、教育はほとんど 評価されませんね。それなのに「教員」とか「教授」とかいいう名称は不思議だなぁと思う今日この頃。どっかにいい仕事ないですかねw

いただいたコメント
  • Aさん 競争力が足らないんじゃなくて,協調力が足らないんじゃないかなあってこっちきて思った.
  • >Aさん そうですね。協調力というか「論理的に話をして自分ができることとできないことを区別して計画して分業する力」でしょうか。昨日も総州 地方にある国立大学の循環器内科におられたDr.が医局内の足の引っ張り合い(”協調性”)を嘆かれておられました。
     
  • Bさん 分かりやすいまとめありがとうございます。大まかな所は網羅されていると思います。  私案2は面白もくて効率よいと思うのですが、昨日のお話で大学院大学はランキング対象外(学生が居ないとダメ?)とのお話があった印象があります。
  • Cさん 海外の有名大学と提携、合併しちゃうというアイディアはどうでしょう?シンガポールやマレーシアが最近その戦略に出ていて、アジアから優秀な人材を集めまくってます
  • Bさん 私案1は無理としても、色々な大学、研究機関でやる共同研究をもっと日本でも拡大するのは難しいのだろうかと思います。昨日の、教授の先生方で話してるのを見たこと無い。よりもハードルは高そうですがw

    >Bさん
  •  
  • その1:そうでしたねー。ですので、それらに小規模の学部を作ってしまえばよいと思います。その2:手前味噌ですがwhttp://square.umin.ac.jp/ages/member.htmlマイナーな分野だと、 同じことに興味がある研究者がなかなか学内にいないので、同じ興味の人を集めていくと、気づくとコラボになっている気がします。しかしある程度各大学でプ ラットフォームができちゃっているような実験系の方は、学内でそれなりに組織もあり研究もできてしまうがゆえに、わざわざ物理的に遠くにいる知らない人と 一緒にやるメリットが見えにくいのでしょうかね。実際やってみれば楽しいと思いますがねー。やっぱ身近な人間だけで話していると視点が一緒になる気がしま す。
  • >Cさん 海外の有名大学との提携は既に多くの大学で行っていると思います。みちのく帝大でさえこんな感じです。http://www.bureau.tohoku.ac.jp/・・・ /scientificj/f2-1.html合併いいっすねー。internationalityも一気に上がる気がします。ただ、アジア圏で日本って すげぇ!って思ってくれているうちにどんどんやっておきたいものです。アジア圏に俺を飛ばしてくれる人いないかなー。
  •  
  • あーいまさらながら昨日のメモから追記。
  • それと、ランキングでは、アメリカとイギリス以外、例えば欧州のドイツやフランスも、そんなにランクインクイ ンしているわけではなのも事実(せいぜい4-5個)。北欧も1-2個くらい。彼らは日本人よりもはるかに英語ができ、英語圏との交流も盛んであると推測さ れるが入っていない。スペインやイタリアなんて100位に一つも入っていない。南米とアフリカも100位に入っていない。なぜ日本の大学は、100位に 10個も入れたいのでしょうね?
  • 余談ですが、以下の2つはランキングが低いけど、その割にcitationがとにかくすごいと思 いました(いわゆる実力があるのでしょうか)60位Pohang University of Science and Technology (Postech) Republic of Korea199位Boğaziçi University Turkey
    関連ブログ木村正人2014年03月06日 09:50東大が世界トップ10から初めて転落http://blogos.com/article/81740/

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統合される前のノートのタイトル:経済協力開発機構(OECD)の「国際成人力調査」(PIAAC)についての駄文
2013年10月14日 12:13

経 済協力開発機構(OECD)の「国際成人力調査」(PIAAC)で「読解力」と「数的思考力」で、「日本が1位でしたよ」、というニュースは、日本でもさ んざんやっていると思う(知らないけど日本のメディアのことだからきっと、日本の教育は1位!とかお祭りのように騒いでいるんでしょう?)ので別に紹介し ていませんでした(あまのじゃく)。

ですが、個人的にいろいろ見て書きたくなってきたのでやっぱり書きます(笑)。

良い指摘をしているなと思ったのは、1)毎日の記事、2)産経の記事。

1)毎日は以下のように指摘しています。
http://mainichi.jp/opinion/news/20131010k0000m070124000c.html
>今回の調査は、3分野に限って行われた。このことを忘れてはならない。表現力、討論の力、多様な語学力、広い知識、リーダーシップなどといった、さまざまな能力はまた別である。

上 記のような指摘は、社会の監視機能として期待されているメディアとしては指摘すべきポイントともいました。「日本は1位だ、わっしょい!」と、お祭りを盛 り上げるのは戦前までのメディアの仕事であると理解しています。祭りに参加しているだけの自称メディアは猛省してほしいものです。

2)一方、産経では、年齢や職種や学歴での層別化を紹介していました。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/131008/edc13100823540003-n1.htm

層別化解析は極めて重要ですよね。
全ての年齢層で日本はちゃんとOECDの平均を上回っているようですが、全ての年齢層で1位なのかは怪しいですね。
特に日本の若年層で気になるのは当然です。


ということで、研究者の端くれとしては、当然、メディアが加工した二次情報ではなく、オリジナルデータを取りに行ってみました。
残念ながらミクロデータは入手はできませんでしたが、以下からさまざまな集計データの層別化は参照できました。
http://www.oecd.org/site/piaac/


結 論的には、16-24, 25-34歳の層では、Numeracyは、Finlandに負けていそうです。literacyは互角でしょうか。より高齢層では疑いなく日本の勝ちで す。ということで、Numeracyとliteracyという点においては、日本の「優秀さ」の多くが、過去の遺産に依存しているということが言えそうで す。PISAの小学生の比較などを見てもわかりますが、今後は徐々に低下していくでしょうね。他に興味深い点としては、 1)韓国の年齢別の結果の差が激 しい。若年者は日本と同じくらい。 2)とにかくSpainとItalyの基礎学力はどの年齢層でも低い(こんなところで仕事を始めるのはとても大変そ う・・)などでしょうか。上記のサイト(http://www.oecd.org/site/piaac/)は、面白いので興味ある方は参照されることとお勧めします。


余 談ですが、このサイトでは、PIAACの説明の動画があります。それを見ていて思いましたが、教育は、信頼の形成に大きく寄与する要素だなとということを 再認識しました。特にアメリカで暮らしているとそれは実感します。言葉が通じなければ信頼も何もありません。多様な社会は良いと思うのですが、互いが最低 限の意思疎通すらできないと、それぞれが派閥を形成してしまうのは無理はないですよね。ですので、どういう社会環境の人にも、その国の税金で最低限の基礎 的な教育を提供することは、その国にとって必要(というか安全保障の観点から十分ペイするのではないか?)なことだなと思います。


日本が豊かな信頼(ソーシャルキャピタル)社会を形成できていたのは、ボトム層における高レベル教育の維持があったんだろうなと仮説(もう理論化されていたりしますか?)を抱きました。つまり今後の日本社会は必然的に・・・(割愛


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統合される前のノートのタイトル:世帯所得と子どもの学力
2012年4月28日 1:20

まずはこれを書くきっかけとなった記事(いつまでリンクできるかは不明。興味がある方はお早めにどうそ)。
家庭の所得が低いほど子どもの学力は低下する?文科省も調査に乗り出す“学力格差”の知られざる実態
http://diamond.jp/articles/-/17857

海外(特に英米)では、世帯収入と教育の関連についての論文は多数あります。
この記事では、そのテーマについて検討した国内の研究を紹介しています。

http://www.nier.go.jp/07_08tsuikabunsekihoukoku/07_08_tsuikabunseki_houkokusho_3_1.pdf
長いので、まずはP161までで。P.161までのうちキーファクトは、たぶんこれ(P.161)。
(5)世帯年収を考慮しても,保護者の行動と学力との関係は残る

一部引用

具 体的には,「親が言わなくても子どもは自分から勉強する」「ニュースや新聞記事について子どもと話す」「子どもが小さいころ,絵本の読み聞かせをした」 「家には本がたくさんある」などが世帯年収を統制しても学力との関係の強さはさほど変わらず,保護者の子どもへの接し方と学力との有意な関係が残る項目で ある。「親が言わなくても子どもは自分から勉強する」ようになるまで勉強の習慣を強化すること,子どもが小さい頃から(幼児期から)絵本の読み聞かせをし たり,家族の会話の中にニュースや新聞記事の内容が話される,家の中に本がたくさんあるなど,学校での学習との接続がはかられやすい家庭環境をつくること が重要であることを示唆している。

引用終わり。


上記部分は置いておいて順に、この報告書をみてみます。

この報告書では、世帯所得と問題の正答率の検討をしています。
まずはP.148の表1。個人的には、2つの事実に驚きました。

1.恐ろしいほどきれいな階段状の関連で、世帯所得が上がるほど正答率が上昇する。
2.世帯所得の天井効果は、所得がかなり高い所まで行かないとなさそう(1200万円以上で天井か?)。

1については、多くの研究が、3つとか4つの分類でやっていますが、ここまで細かくやっても、きれいな関連が出るなんてすごいですねぇ(世帯所得の分類が正確であるとも言える)。
2 については、アウトカムを健康関連因子にした場合、もっと天井効果は低い所で出るような気(←先行研究による事実ではなく僕の個人的な感想です)がします が、1200万円までリニアーって・・・。大都市圏以外には、年収1200万円超って、一部の特殊な職業の人を除いていないと思いますけどね。。

表2では、「学校外教育支出」と正答率の関連を見ていますが、こちらも恐ろしいほどの階段状。
こちらも天井効果は無く、5万円以上(これって年あやりじゃなくて月当たりですよね・・・?)まで上昇するという恐ろしい結果(塾や通信教育は、無駄ではないという証拠でもある。それは表3も支持する)。

表4は、月に5万以上の学校外教育支出があっても「全く負担に感じない」金持ちもたくさんいるわけで、表4ではあまりきれいな関連が出ないのはある意味当然。

表7、8は、いわゆる「良い家庭」でやりそうな行為と正答率が関連していると言っている。
しかし、これらの特性はすべて独立しているわけではなく、同じ根源(=恐らく高学歴とかだったりするんでしょうけど)から派生している特性を、様々な側面から見ているだけと正直感じる。

P.155表11(及び表13)では、重回帰モデルで、家庭の特性と世帯収入を解析して、家庭の特性を考慮しても、世帯収入が子どもの学力に有意に関連していたと。
こ の重回帰モデルでは、多くの要因を統制(これは社会学者がよく使用する言葉で、疫学者でいうところの「調整」。英語だとcontrolとadjust?) していますが、上述したように、これらの特性はすべて独立しているわけではなく、同じ根源(恐らく学歴?)から派生している特性であり、互いに強く関連し ていると思われる(これについて言及していない?)ので、同一のモデルで全てを調整してしまうのは、いわゆる「調整しすぎ」になり、世帯所得の効果は消え てしまうんじゃないかと思いましたが、そういうモデルでも、世帯所得は有意になるんですねぇ。

まとめると、この報告書によれば、とりあえず世帯所得と子どもの正答率が関連していました。
その関連は、家庭でのいわゆる教育によいとされる行為を調整しても有意でした。
恐らくそれは因果関係なんでしょうけど、細かいことを言うようですが、この研究は(よくわかりませんが)恐らく横断研究ですので、関連を示しているだけで、因果関係とまでは言えないですよね。
で すので、この結果を以って、世帯所得と低学歴が関連していて貧しい家庭の子どもは不利だから、子ども手当をがっつり増やせとか、「学校外教育支出」により ギャップを埋めるために貧困家庭に「学校外教育支出」用のバウチャーを配れ(これデフレ対策にもなりますねw)とかまでは言えないと思いますが、そういう 政治家がいてもおかしくないでしょうし、世論は受けそう(バウチャー案は、学習産業界も大賛成)だなぁと思いました。

それにしてもこういう報告書がネット上で自由に閲覧できることは素晴らしいですね。
英語のジャーナルの多くは、大学関係者はフリーで読めますが、そうじゃないと読めないですしね。


追加メモ:

2014年10月25日 3:46

 ●財務省 35人学級を40人に戻すべき
http://www3.nhk.or.jp/ne…/html/20141023/k10015624931000.html
(リンク切れ)


個人的には、できることなら、少人数学級や複数担任制を支持します。
が、今回のニュースを見ていて思ったことは、少人数学級推進派は、感情論やイデオロギー論(少人数がいいに決まっているだろ!)にとどまらず、少人数学級が生徒や教員に「どのような」良い影響を「どのていど」与えるのか、について明確に説明できているのかということです。
今回財務省は、「いじめの発生割合」などをアウトカムとして、少人数学級が効果が無かったと論じています。
効果が無いのにコストだけかかっているからやはりやめましょうと言っています。
教育の専門家や現場の人に言い分はいろいろあるでしょうが、門外の漢としては、「確かにそういう見方もできるかな」と感じました。
Evidence based education policyとでも言うのでしょうか。
少人数推進派の教育政策研究者(学者)は、少人数学級の意義を具体的に数値で説明し、実際今回の導入前後でどのように変わったのかを説明してほしいなと思いました。
感情論・イデオロギー論で進める政策は、担当者が変われば(当事者の声の大きさが変われば)政策が変わっても仕方ないですよね。
医療も同じですね。
たとえば数年前に1:10看護より看護師の人員の多い1:7看護が主流となりました。
これにより病棟の看護師の数が増えました。そして、患者サイドからすると、同じ病気で入院して同じ医療を受けても、1:7の方が支払うお金は確実に増えています(=国の医療費も増えますね)。
さて、実際何か良くなったんですかね?
患者の予後やQOLなどでもいいでしょうし、勤務している人の疲労感などでもよいと思いますが、とにかく何かしらの指標を提示して、それが増加分のコストに値するのか?という議論は必要だと思います。
教育も医療も財源は公的なお金です。またお金にゆとりがあるわけでもありません。
こういう議論は必要だと思いますけどね。