2015年12月11日金曜日

新しい内科専門医制度

2020年から専門医制度が大きく変わります。

最近公開された専門研修プログラム整備基準【内科領域】をなんとなーく見てみたけど、これがなかなかすごい。
http://www.naika.or.jp/jsim_wp/wp-content/uploads/2015/08/2015-program.pdf

新しい内科専門医制度に向けて[専門研修プログラム整備基準等の公開およびFAQの掲載] 2015年8月11日版
http://www.naika.or.jp/info/info150805/

新しい内科専門医制度に関するFAQ
http://www.naika.or.jp/senmoni_faq/

【まとめの印象】

かなり大変そう。かなり教育・研究を重視している印象。

法令順守、女性医師への配慮などが明記してあり、時代が進んだ印象(まぁ大学以外では、ほとんど形骸化するのでしょうけど)。

大学や都市部の大病院は生き残れるだろうけど、田舎の病院はますます若い医者が来なくなるだろうなーと思った。たぶん対応できない。

内 科は、基幹的な診療科なので、病院で内科医(なんちゃって内科医ではなく)が不足すると、病院そのものの運営がきつくなるだろうから、田舎の病院(これの 基準病院になれない300床未満だけど、その地区の公的基幹病院とか、たぶん既に現状で一番じり貧できついところ)は更に大変になりそう。


【こまかなこと】

・日本内科学会専攻医登録評価システム(仮称)というような、すでに外科学会が行っているような制度が始まるっぽい。
入力が煩雑なことは言うまでもなく、システムトラブルなど、開始直後は、絶対大変だろうなー。


・「学会発表や論文発表の記録や各専門研修プログラムで出席を求めらる講習会等(例:CPC、地域連携カンファレンス、医療倫理 •。医療安全・感染対策講習会)」の出席をシステム上に登録するってのも大変だ。
自分で登録となると、きっとねつ造する輩が出てくるだろうな。
なんで日本はいつもこういう性善説に基づいた制度にするんだろう(苦笑)
学会や講習会を開いている側が登録するようにすれば、そのようなねつ造は防ぐことはできそうだが、いろんな講習会をカバーしている時点でそれは難しいのかな。


・移行措置について。以下のコピペはFAQより。
こうなるとは思っていたが、既にまじめに「総合内科専門医」を取った人が、もっともかわいそう。こういっちゃぁ申し訳ないが、正直者が馬鹿を見るという典型例。

2014年以前の医師免許取得者について
認定内科医有資格者が総合内科専門医を受験する際の病歴要約提出免除はいつまで行われる予定でしょうか? 提出免除の措置が終了した後でも、受験は可能でしょうか? また、以前のように病歴要約の提出免除での受験は1回のみという形でしょうか?

新 しい内科専門医の第1回試験が行われる2020年に向け、病歴要約の提出を免除した措置試験を2019年までは継続する方針です。しかし、2019年以降 に認定内科医の1回目の更新がある方々が不利にならないよう、2020年以降も同様の受験が可能となるよう計画しております。なお、受験回数に制限はござ いません。


2014年以前に医師免許を取得している医師は、新しいカリキュラムに従って研修していくことになるのでしょうか? 認定内科医試験の受験は可能なのでしょうか?
2014 年度までに医師免許を取得された先生につきましては、現在の認定医制度に枠組みの中で、2018年度まで実施される認定内科医試験を受験することができま す。しかし、新たな専門医制度試験が始まる2020年以降は、2014年度以前の医師免許取得者に対する新しい内科専門医試験の受験資格を別に設け、これ を満たす場合には、新しい内科専門医試験を受験する事も選択できるよう計画しております。


総合内科専門医資格認定試験の受験回数に制限ありますでしょうか?
現在、通常の試験、及び措置試験ともに、受験回数に制限は設けておりません。


専攻医登録評価システムへの登録をせずに、認定内科医が2020年以降の新しい内科専門医試験を受験できるのでしょうか?
2014年以前に医師免許を取得された方は、専攻医登録評価システムに登録することはできませんが、別に設ける条件にて、受験が可能になるよう整備いたします。”

・家庭医療専門医が導入しているような「多職種による内科専門研修評価(社会人としての適正、医師としての適正、コミュニケーション、チーム医療の一員としての適正)を他職種が行う」を導入するのですねー。
実際これをどのように使うのだろう。足切りか?
まあ多職種と言っても誰が評価するのかで結構違いそうだけど。


 ・施設基準として原則300床以上らしいが、これ意味あるのかな・・・。内科のベッドの数じゃないし、在院日数次第で、全然意味は違うんだし、例えば「内科管理患者数(年間)」の方がベターな指標ではないのか?


・ 「4)学術活動の環境。臨床研究が可能な環境が整っていること •。倫理委員会が設置されていること •。臨床研究センターや治験センター等が設置されていること •。日本内科学会講演会あるいは同地方会に年間で計 3 演題以上の学会発表」などなど、結構研究重視ですね。


・「労働基準法や医療法を順守することが求められる。専攻医の心身の健康維持への環境整備も研修委員会の責務。である。時間外勤務の上限を明示するとともに、労働条件をプログラムに明示」 まぁ法律を守ることは、専門医機構に言われるものではない気がしますが(苦笑)



追加メモ:
 現在の日本の「専門医」の人数
http://www.japan-senmon-i.jp/hyouka-nintei/data/index.html

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