2015年12月11日金曜日

英語の試験:IELTSとTOEFLの関係について考えてみた。

時々こういう話をすることがあるので、一回思いつくことをまとめてみました。「事実」というよりは私見です。

話をシンプルにするために、TOEFL, IELTSの2つの比較で話を進めます。

●いきなりまとめ
・ 日本では大学入学でこれらのスコアを用いる話が出ています。それも悪くはないでしょうが、むしろ学部の卒業要件に「最低スコア」のクリアを設定してもよい と思います。「最低スコア」は大学や学部ごとに異なっていいと思いますが、いわゆるそれなりの大学は、「最低スコア」は英語圏の修士課程が要求するレベル にしていいのではと思います。 ちなみに台湾はやっているようです。

・研究をすることが目的ということになっている大学院 では、英語の文献を読み、海外の学会に出る必要があります。ゆえに、それ相応の英語力が入学時点で必須なわけで、TOEFL, IELTSを大がウインの入試の足切りに使用すれば良いと思います。入学後に教員が学生の英語の面倒を見るというよくわからないことが起きているようです が、それは大学教員の仕事ではないと理解しています。日本にはたくさん優れた英語を教えてくれる学校があります。

●TOEFLとIELTSどちらがやりやすいか?
この2つでは明らかにIELTSの方が「やりやすい」と思います。特にspeaking。
IELTS は人との会話ですが、TOEFLはパソコンに向かって一方的にしゃべるのみ。まぁ確かにspeakなのかもしれませんが、会話というものは、相互のやり取 りで成立しているわけで、間違っても、一方的に話すだけでは会話は成立しないと思うのですが・・・(ある意味そこらへんも英米の違いか・・・・)
speakingに限らず全体としても、単語レベルもIELTSの方が楽な気がします。

●TOEFLとIELTS(とTOEICと英検)の換算表
ネット上でも検索すればたくさん見つかります。
さまざまな「換算表」が存在します。
いろいろありますが、ホンマかいなと思う。
私の場合、IELTSが一番上に行きやすく、英語圏の大学院入学の時に求められるスコアという点でも、多くの場合IELTSの方が到達しやすい。
各大学院ごとに、TOEFLとIELTSで異なるスコアを提示しているが、自分に合った試験で選べばいいと思う。

●利用可能性
ちなみに元々の流れは、TOEFL=アメリカ、IELTS=イギリス連邦(らしい)。
ちょっと前まではアメリカの大学院はIELTSは受け付けていなかったようですが、調べた限りでは最近ではほとんどどちらでもOKなようです。
むしろ日本国内でIELTSを受け入れてくれないところは結構あると思います。

●お値段
IELTSの方が、お金が高い。
IELTSは24000円くらいで、TOEFLは200ドル?
超円安になれば話は別ですが。

●試験会場、回数
IELTSの方が少ない(気がする)。
こと地方都市在住としては受験するのが大変です。
仙台在住時には、IELTSの方が受けやすかった。
TOEFL@東北は、主に、秋田と会津と仙台の端っこ(+まれに盛岡)でしかやっていない。受けに行くためにホテル宿泊したりして一苦労でした。

●筆記vs PC
パソコンに慣れていると、IELTSの鉛筆がきつい。特にライティング。


おまけ
●TOEICと英検をすっかり忘れていました。

・英検:基本的には、大学入試まで。
・TOEIC:日本の会社で必要に応じて受けるもの。

どちらも財布にやさしく、資格の意味は日本人には理解してもらえるが、日本を出るとほぼ無意味な気が・・・。



★20140720追記★

中高生版TOEFL開始…実践的英語テスト続々
http://www.yomiuri.co.jp/national/20140720-OYT1T50080.html

”TEAP”って何・・・?と調べる。

http://www.eiken.or.jp/teap/merit/

”TEAPは主に高校3年生を対象とした大学入試を想定して開発されております。テスト構成は日本における「大 学教育レベルにふさわしい英語力」を測るうえで適切な設計となっており、テスト内容はすべて大学教育(留学も含む)で遭遇する場面を考慮して作成されてお ります。難易度の目安としては、英検準2級〜準1級程度で、日本の高校3年生の英語を測定するのに最適なレベルとなっております。”


TOEFLやIELTSって、「確か英語圏の大学・大学院でどれくらいできそうですかね?」というための試験だったと思うのですが、なぜわざわざ「日本の大学教育における」というよくわからない限定をかけるのでしょうか・・・・・。
やはりTOEFLやIELTSでいいじゃん?と思います。
これじゃぁTOEICのSとWの試験を受けることと変わらない気が。
まぁ要するに「TOEFLやIELTSが難しすぎる人のための簡易TOEFL」なのでしょうか。

と思ったけど、文科省の資料によるとTOEFLの満点までと対応できるようだ(ほんまかいな)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/102/102_2/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2014/07/16/1349566_03.pdf

だとするとますますTOEFL(IELTS)でいいじゃねーかという気分が。

日本の文科行政は、TEAPという、日本英検・TOEICの続くような日本以外で通用しない試験をまた増やすことではなく、大学に行くような人が、TOEFLを受けることができるような英語教育環境を整備することではないでしょうか。
自分の子どもにはこんな意味不明な試験は受けさせたくないものです。TOEFLやIELTSを受けさせよう。
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2014年8月27日追記
http://blogos.com/article/93268/
” いま英語教育関係者の間で注目されているのが、欧州のCEFR(セファール)です。「外国語の学習・教授・評価のための欧州共通参照枠」(Common European Framework of Reference for Languages:Learning,teaching,assessment)のことで、初等中等教育(小・中・高校相当)の外国語の運用能力がA1 からC2まで6段階で示されています。たとえばA(基礎段階の言語使用者)2は日常的な範囲なら単純な情報交換に応じることができるレベル、B(自立した 言語使用者)2は専門分野などの抽象的な話題でも理解でき、英語を母語とする人とも普通にやり取りできるレベル……といったように、文章で基準が示されて います。各国のカリキュラムや教材などをCEFRと対照させれば、自分の国の英語教育が「欧州標準」でどこに該当するか、比較するための共通の物差しにな ります。地域統合を果たした欧州連合(EU)では、高等教育(大学など)を中心に各国の教育内容も標準化して互換性を持たせ、域内の自由な移動に備えよう という機運があり、その初中教育版と言うこともできます。”
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/102/shiryo/attach/__icsFiles/afieldfile/2014/08/06/1350353_01.pdf#page=5

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