2016年2月8日月曜日

国立大学の授業料がさらに値上がりする? >”日本共産党の畑野君枝衆院議員が昨年12月に国会でただすと、文科省は「授業料は40万円増えて93万円になる」と答えました”

うーん、いつもながら、共産党さん、指摘している点はいいのだが、重要なポイントがずれている気がする。
こういう政党の政策秘書みたいな人ももっと優秀な人がついてくれるといいのだが。


”財務省方針は、今後15年間、交付金を毎年1%削減して1948億円も削減する一方、大学の自己収入を2437億円も増やせというもので、同省は現在もこの方針を撤回していません。
 同審議会がとりまとめた昨年11月の「建議」は、国立大学に対し、数値目標は示さなかったものの「運営費交付金の削減を通じた財政への貢献」を求め、「授業料の値上げについても議論が必要」「国費に頼らずに自らの収益で経営を強化していくことが必要」と打ち出しました。
 自己収入増を授業料だけで賄えばどうなるのか―。日本共産党の畑野君枝衆院議員が昨年12月に国会でただすと、文科省は「授業料は40万円増えて93万円になる」と答えました。”


http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2016-02-08/2016020802_01_1.html
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2016-02-08/2016020802_01_1.html


今私が理解している限りでは、この文章が書いているような国立大学の授業料の値上げは起こりません。
理由は、国立大学は授業料が以下のように決まっており、自由に上げることが法律上できないからです。
かりに「特別の事情があるとき」であったとしても、値上げできるのは20%(=10万円)が上限です。

共産党さんは攻めるポインをがずれていると思います。
私が考えるポイントは以下です。

1)日本の国立大学の授業料は、すでに現時点で世界的に見てもかなり高い。この点が最も重要だと思います。

2)国立大学は、独立行政法人化したといいながら、全然財政的な運営としては独立していない中で、収入が減らされ、パフォーマンス(定義は?)を上げるようにせかされている。
具体的には、収入の半分は運営交付金(=税金)でこれは完全に文科省に依存している。その運営交付金は毎年1%減っている。
また、ほかの収入を増やす主な手段(国の研究費・授業料)も、文科省・その関連財団に縛られていて、身動きが取れない。
確かにいわゆる科研費は国全体としては増えているが、大学自体の収入となる間接経費(大学が研究以外に使えるお金。人件費や設備費など)はその20%でしかない。
独法化後、事実、旧帝国大学以外の多くが、全体での収入が減っている。
民間からの研究費・委託費は、一般にはこれら(運営交付金・研究費・授業料)に比べて極めて少ない。これを頑張って取ってきて生きて行けと言われても、多く(東北大工学部のような神みたいなところを除き)が、焼け石に水である。

3)国立大学の明確なゴールの設定。それがうまく達成できていないとき(=今)は、方針の抜本的な転換(=運営交付金を毎年1%減らすのをやめる)。

4)私学にどれだけお金を交付しているのかわかりませんが、子供の数の減少に合わせて、私学を減らしたほうがいいと思います。が、これは相当難しいでしょうね。




ほかの国の大学の運営はわからんけど、日本の国立大学全体の運営は、よろしくない方向にどんどん進んでいると感じる今日この頃です。



”(授業料、入学料及び検定料の標準額等)

第二条 国立大学及び国立大学に附属して設置される学校(次条第一項に規定するものを除く。)の授業料(幼稚園(特別支援学校の幼稚部を含む。)にあっては、保育料。以下同じ。)の年額(乗船実習科(大学の教育研究組織であって、商船に関する学部の課程を履修した者で海技士の免許を受けようとするものに対し、乗船実習を行うものをいう。以下同じ。)にあっては、授業料の総額。以下同じ。)、入学料(幼稚園にあっては、入園料。以下同じ。)及び入学等に係る検定料は、次の表の第一欄に掲げる学校等の区分に応じ、授業料の年額にあっては同表の第二欄に掲げる額を、入学料にあっては同表第三欄に掲げる額を、検定料にあっては同表第四欄に掲げる額をそれぞれ標準として、国立大学法人が定める。”
http://www.kyoto-u.ac.jp/uni_int/kitei/reiki_honbun/w002RG00000953.html#e000000042

”(授業料等の上限額等)
第十条 国立大学法人は、国立大学及び国立大学に附属して設置される学校の授業料の年額、入学料又は入学等に係る検定料を定めようとする場合において、特別の事情があるときは、第二条第一項若しくは第三項、第三条第二項又は第四条の規定にかかわらず、これらに規定する額にそれぞれ百分の百二十を乗じて得た額を超えない範囲内において、これらを定めることができる。
http://www.kyoto-u.ac.jp/uni_int/kitei/reiki_honbun/w002RG00000953.html#e000000449



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