時々こういう話をすることがあるので、一回思いつくことをまとめてみました。「事実」というよりは私見です。
話をシンプルにするために、TOEFL, IELTSの2つの比較で話を進めます。
●いきなりまとめ
・
日本では大学入学でこれらのスコアを用いる話が出ています。
それも悪くはないでしょうが、むしろ学部の卒業要件に「最低スコア」のクリアを設定してもよい
と思います。
「最低スコア」は大学や学部ごとに異なっていいと思いますが、いわゆるそれなりの大学は、「最低スコア」は英語圏の修士課程が要求するレベル
にしていいのではと思います。
ちなみに国立台湾大学は導入しているようです(卒業までにTOEFL iBT 80以上)
・研究をすることが目的ということになっている大学院
では、英語の文献を読み、海外の学会に出る必要があります。
ゆえに、それ相応の英語力が入学時点で必須なわけで、TOEFL,
IELTSを大学院入試の足切りに使用すれば良いと思います。
入学後に、大学院教員が学生の英語の面倒を見るというよくわからないことが起きているようです
が、それは大学教員の仕事ではないと理解しています。
日本にはたくさん優れた英語を教えてくれる学校があります。
●TOEFLとIELTSどちらがやりやすいか?
この2つでは明らかにIELTSの方が「やりやすい」と思います。特にspeaking。
IELTS
は人との会話ですが、TOEFLはパソコンに向かって一方的にしゃべるのみ。
まぁ確かにspeakなのかもしれませんが、会話というものは、相互のやり取
りで成立しているわけで、間違っても、一方的に話すだけでは会話は成立しないと思うのですが・・・(ある意味そこらへんも英米の違いか・・・・)
speakingに限らず全体としても、単語レベルもIELTSの方が楽な気がします。
●TOEFLとIELTS(とTOEICと英検)の換算表
ネット上でも検索すればたくさん見つかります。
さまざまな「換算表」が存在します。
いろいろありますが、ホンマかいなと思います。
私の場合、IELTSが一番上に行きやすく、英語圏の大学院入学の時に求められるスコアという点でも、多くの場合IELTSの方が到達しやすいです。
各大学院ごとに、TOEFLとIELTSで異なるスコアを提示しているが、自分に合った試験で選べばいいと思います。
●利用可能性
ちなみに元々の流れは、TOEFL=アメリカ、IELTS=イギリス連邦(らしい)。
ちょっと前まではアメリカの大学院はIELTSは受け付けていなかったようですが、調べた限りでは最近ではほとんどどちらでもOKなようです。
むしろ日本国内でIELTSを受け入れてくれないところは結構あると思います。
追記:TOEFLで不正があり、英国が利用を拒否しているようです。
英国留学希望者に衝撃 ビザ申請にTOEFL、TOEIC使えなくなる
http://www.j-cast.com/2014/06/11207346.html
上記も踏まえると、IELTSに軍配が上がる気がします。
●お値段
IELTSは24000円くらいで、TOEFLは200ドル?IELTSの方が、お金が高い。超円安になれば話は別ですが。
●試験会場、回数
IELTSの方が少ない(気がする)。
こと地方都市在住としては受験するのが大変です。
仙台在住時には、IELTSの方が受けやすかった。
TOEFL@東北は、主に、秋田と会津と仙台の端っこ(+まれに盛岡)でしかやっていない。受けに行くためにホテル宿泊したりして一苦労でした。
ただ、田舎は人数が少なくアットホームな雰囲気で好きです。東京で受けたことあるけど、TOEIC並みに人がいて驚きました。
●筆記vs PC
パソコンに慣れていると、IELTSの鉛筆がきつい。特にライティング。PCにしてほしい。。
おまけ
●TOEICと英検をすっかり忘れていました。
・英検:基本的には、大学入試まで。
・TOEIC:日本の会社で必要に応じて受けるもの。
どちらも財布にやさしく、資格の意味は日本人には理解してもらえるが、日本を出るとほぼ無意味な気が・・・。
TOEICは、基礎英語力がどの程度
「無い」ことを判断する材料にはなるかもしれません。
700-800を取れない人は、文法含めて基礎的な勉強が必要だと思います。
TOEICの問題集は、日本語で良質なものがリーズナブル価格で手に入るので、会話の練習と並行してTOEICの勉強をやるとよい気がします。
700-800以上取れれば、IELTSやTOEFLに取り組んでも良い気がします。
それくらい基礎学力がないと、これらの試験は受験自体が困難な気がします・・・。
★20140720追記★
中高生版TOEFL開始…実践的英語テスト続々
http://www.yomiuri.co.jp/national/20140720-OYT1T50080.html
”TEAP”って何・・・?と調べる。
http://www.eiken.or.jp/teap/merit/
”TEAPは主に高校3年生を対象とした大学入試を想定して開発されております。テスト構成は
日本における「大
学教育レベルにふさわしい英語力」を測るうえで適切な設計となっており、テスト内容はすべて大学教育(留学も含む)で遭遇する場面を考慮して作成されてお
ります。難易度の目安としては、英検準2級〜準1級程度で、日本の高校3年生の英語を測定するのに最適なレベルとなっております。”
TOEFLやIELTSって、「確か英語圏の大学・大学院でどれくらいできそうですかね?」というための試験だったと思うのですが、なぜわざわざ「日本の大学教育における」というよくわからない限定をかけるのでしょうか・・・・・。
やはりTOEFLやIELTSでいいじゃん?と思います。
これじゃぁTOEICのSとWの試験を受けることと変わらない気が。
まぁ要するに「TOEFLやIELTSが難しすぎる人のための簡易TOEFL」なのでしょうか。
と思ったけど、文科省の資料によるとTOEFLの満点までと対応できるようだ(ほんまかいな)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/102/102_2/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2014/07/16/1349566_03.pdf
だとするとますますTOEFL(IELTS)でいいじゃねーかという気分が。
日本の文科行政は、TEAPという、日本英検・TOEICの続くような日本以外で通用しない試験をまた増やすことではなく、大学に行くような人が、TOEFLを受けることができるような英語教育環境を整備することではないでしょうか。
自分の子どもにはこんな意味不明な試験は受けさせたくないものです。TOEFLやIELTSを受けさせよう。
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2014年8月27日追記
http://blogos.com/article/93268/
”
いま英語教育関係者の間で注目されているのが、欧州のCEFR(セファール)です。「外国語の学習・教授・評価のための欧州共通参照枠」(Common
European Framework of Reference for
Languages:Learning,teaching,assessment)のことで、初等中等教育(小・中・高校相当)の外国語の運用能力がA1
からC2まで6段階で示されています。たとえばA(基礎段階の言語使用者)2は日常的な範囲なら単純な情報交換に応じることができるレベル、B(自立した
言語使用者)2は専門分野などの抽象的な話題でも理解でき、英語を母語とする人とも普通にやり取りできるレベル……といったように、文章で基準が示されて
います。各国のカリキュラムや教材などをCEFRと対照させれば、自分の国の英語教育が「欧州標準」でどこに該当するか、比較するための共通の物差しにな
ります。地域統合を果たした欧州連合(EU)では、高等教育(大学など)を中心に各国の教育内容も標準化して互換性を持たせ、域内の自由な移動に備えよう
という機運があり、その初中教育版と言うこともできます。”
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/102/shiryo/attach/__icsFiles/afieldfile/2014/08/06/1350353_01.pdf#page=5
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2015年7月21日追記
オックスブリッジの入試を突破する「英語力」の身につけ方
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/41910
"どの英語試験がお勧めか?
前述の3つの試験のうち、以下の理由により私はIELTSでの受験をお勧めする。
①試験の規模
試
験頻度と試験会場へのアクセスは重要な考慮事項である。前述の試験を比べた場合、1年に5回未満しか開催されないケンブリッジ英語検定に比べ、IELTS
とTOEFLの試験頻度は1ヵ月に2~3回程度と多い。また、試験会場も数が多く、比較的アクセスが良い場所にある。このため、ケンブリッジ英検と比較し
てIELTSやTOEFLの方が受験しやすい試験といえよう。
②相対的にTOEFLの要求スコアが高い
両
校のTOEFL要求スコアはIELTSの要求スコアに比べて相対的に高いと感じる。例えば、MBA課程の場合、両校のTOEFL要求スコアは110点であ
る。一方、IELTSの要求スコアは7.5である。TOEFLとIELTSを両方受けた経験からすると、個人的にはTOEFL
95~100点程度=IELTS Overall 7.0 (以下、7.0)、TOEFL 100~105点=IELTS 7.5、TOEFL
110点=IELTS 8.0という感覚である。
③IELTSは受験頻度に関する制限がない
2014年12月現在、TOEFLは受験頻度に制限がある。受験は12日間に一度に制限され、実質1ヵ月に3回以上受ける事は不可能だ。一方、IELTSには受験回数に制限がない。実際、私は出願直前に1ヵ月4回のペースで受験して目標スコアを達成した。
④米国の大学受験でも使えるIELTS
「IELTS
は米国の大学院受験で使えるのか?
」と懸念される方はいるだろう。現在は米国の有名大学の多くもIELTSを採用している。このため、IELTS使用を許可しない一部プログラムを志望する
方を除き、米国の大学院を併願する方にもIELTSの選択をお勧めできる。実際、過去にIELTSでStanford MBAに合格した方を知っている
オックスブリッジのIELTS要求スコア
前述の通り、両校のIELTS要求スコアは7.5である。しかし、実際には例外がある。
例
えば、ケンブリッジの場合は、上記の要件を満たしていなくてもEnglish for Academic
Purposes(以下、EAP)というサマープログラムに参加すれば入学が許可される。実際、MBA入学審査のサイトには、「IELTS7.0で応募し
ていいが、条件付き合格になる可能性がある」という旨の記載がある 。この条件というのは合格後にIELTSのスコアを7.5に更新するか、大学が実施す
る語学力審査の受験を指す。大学の専門機関による3時間程度の語学力審査を受け、ここで十分な英語力を示せばIELTS7.5未満でも入学が許可される。
仮にここで十分な英語力を示せない場合でも前述のEAPに参加する条件付きで入学が許可される。
また、オックスフォードの場合、学部入学の
場合はIELTS 7.0、大学院レベルの受験でも、MSc by Researchと呼ばれるResearch degreesの学位(例えばMSc
by Research in Biochemistry)を取得するための修士課程であればIELTS 7.0で条件を満たせるようだ。
これらを勘案すると、IELTSスコアが7.0あればオックスブリッジに合格できる可能性が十分にあると考えていいと思う。その一例として、私はケンブリッジ修士課程にIELTS7.0で合格し、その後に語学審査を通過して入学している。"
”
ここまでにふれた勉強はあくまで試験に合格するためのものである。IELTS7.0は合格するための英語力の最低基準値であり、卒業するために十分とはい
えない。このため、私はさらに英語力をつけるという目的で前述のEAPに参加し、ライティングとスピーキングを中心にスキルを磨いた。最低スコアを取得し
た後は是非様々な英語の勉強にトライしてほしい。”
コピペはしないけど、TOEIC800を超えるくらいまでは、IELTSのことは忘れてまずはTOEICを勉強しようと書いてあった。
確かにそれいい方法かもしれないなと思いました。
ちなみに私は大学院(MPH)でのお勉強も考えていたので、渡米前にIELTS7.0は確保しておりました。
HSPHはじめ多くの世界中のMPHがだいたい7.0以上となっております。
しかし現実は、上記で書いてあるように、これは「最低限のスコア」だと思いました。まさにrequirementだと思います。
つまり、それ未満では、まさに「お話にならない(支障がある、教える方も困る)」、という意味だと思います。
&日常生活での会話で求められるスキルは、IELTSやTOEFLとはまた別の能力ですね。
●
英国の修士課程で緩和ケアを学んで
http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA03096_02
"
英国の大学院に入学するには,IELTS,TOEFL,ケンブリッジ英検のいずれかで,基準スコアへの到達が条件になることが多い。最初から英国への留学
がわかっている場合には,IELTSの受験をお勧めする。私は,英語学校のIELTS対策コースや英国大学院留学専門の準備学校に通うことにしたが,さま
ざまな背景を持つクラスメートと共に学ぶことができたのは大きな収穫だった。"
●
3 Things International Students Should Know About the IELTS Exam
http://www.usnews.com/education/best-global-universities/articles/2015/04/23/3-things-international-students-should-know-about-the-ielts-exam